2015年7月13日月曜日

・「良いアコギのはなし」その7 furch(フォルヒ)のカスタムモデルたち〜 part 1

(フォルヒのカスタムモデル part 2 更新しました。こちらからどうぞ



先日のレッスンの休憩時間の事です。。

studio Mの2階のスタジオから下に降りてくると



普段あまり見ないFurch 達 がおいてあります。




装飾やバインディング 使っている木材もなにやら 普段と違う感じです。


何だろうと思ってうろうろしていると、棚の上にみなれないチラシを見つけました。




これは! 

なんでしょう。拡大してみましょう。






「フォルヒギターカスタムモデル  弾きまくり祭!!」

とあります



すでにご存知の方も多いかもしれませんが、フォルヒギターは様々なオプションがつけれるセミオーダーができます。

木材や装飾など、人とかぶらない自分だけの組み合わせを選ぶ事ができるのですね。


ちなみに余談ですが

フォルヒが様々な材料を使いだしたのは、日本の代理店つまり スタジオエムがフォルヒに提案した事なんだそうです。(元々はノーマルのローズとマホだけでした)

スタエムの提案を受けて 作ってみたところ フォルヒ自体もこれはいい音だ!という事になり、ラインナップにしたんです。


余談の余談ですが

フォルヒの現在のサドルの形も、新岡ギター教室の新岡さんの案が採用されたからだそうです。

フォルヒにおける日本の貢献度はなかなかですね。


さて話しがそれましたが、
セミオーダーで様々なオプションをつける事ができます。

この価格帯で手軽に セミカスタムができるのは楽しいですよね。






そのPR の一環として、通常ラインナップにない 特注の材料のセミオーダモデルが
A チーム と  Bチームに分かれて 4本ずつフォルヒの取扱店を回るそうです。

試奏していただいて こんな音になりますが オーダーいかがですか?というわけです。





皆様のお近くの楽器店にも行くでしょうか?


というわけで先ほどのギターたちは このイベントのためにお店が特別オーダしたものだったのです。。


こんなギターがおいてあって 弾かないわけにはいきません。。



土曜日の わたしのレッスンは最後の方が21時に終わり、閉店は22時です。

それで閉店までの1時間に 生徒のUさんとふたりで幾つかのカスタムフォルヒをひいてみました。

(Uさんは 去年から教室に通われた方ですが、ギターの奥深さにはまりご自身も一本よいギターを買いたいとのことで いろいろ探されていました。

ほかの王道メーカ等もふくめ いろいろ試した結果 FURCH の音の良さ値段の安さに感動され、G23 ERCT をオーダーされたのでした)


さて一本目はこれです。

 (モバイルの方はクリックするとより高解像度になります)

装飾が豪華ですね。これは フォルヒの最上位クラス 25シリーズです。

OM25 ABCT  (アディロンダックスプルース アフリカンブラックウッド)です。

価格的には 最上位シリーズで しかも アディロンはトップで最高額、ブラックウッドもサイドバックで最高額なので、実質フォルヒで注文できる一番高いモデルです。




実勢価格で57万です。  

アディロンの木目がわかるでしょうか。

とくにギターの左右両端の木目を見ると分かりますが、アディロンは少し広めの木目がでるのが特徴ですね。





でも この写真を見ると思いのほか 木目が詰まっている感じがします。


かなりグレードの高いアディロンです。マーチンなどではあり得ないくらいのグレードのアディロンですね。

やはり ヨーロッパのメーカは材料の面ではかなり有利です。

ただ店長も 「このグレードの材がいつまでつかえるか、ここ1、2年までかも。。」

といっておられました。


他の材にも言える事ですが、フォルヒは材料の質がいいのですね。

社長が「日本に来るものは特にいいのを使うように お願いしている」とのことです。




バックはこんな感じです。まさにブラックウッド!



コアのバインディングとのコントラストがいいですね。


25シリーズのヘッドはこんな感じです。ヘッドのにもコアの縁取りがつきます。





スモールボディーにアディロンのパンチ力 ブラックウッドの重厚感で 
レギュラーチューンでマイナーkey のソロを弾くととてもしまります。


高音のレスポンスもいいですね。


ただ個人的には バックマダガスカルのモデルのほうが  よりバランスがいい気がしますね。

マダガスカルも低音がでるのですね。また アディロンとの相性も良いのです。



さて、次のギターに行きましょう




これは G23 CGCT ERITEです。

シダーとマダガスカルローズウッドのモデルですね。

ぷらす 三万円でエリートという 装飾のオプションが付いています。



エリートになると まずバインディング(縁取り)がメイプルになります。

写真だと見にくいですが とてもおしゃれですよ。ウッディーです。

それに フレットにインレイが入ります。


ブリッジピンもエボニーになるのですね。


ヘッドはこんな感じです。


ペグがエボニーになります。 ヘッドにもメイプルの縁取り付きです。

かなり高級感がでますね。 かっこいい!





バックのマダガスカルもいい木目です。



シダーはやはりスプルースに比べて明らかに音量がでます。

Uさんも「これが一番音が大きいですね」とおっしゃっておられました。


バックがマダガスカルになると低音がすごく太くなります。

それに 余韻がまとわりつくのですね。。

インドローズと弾き比べると一目瞭然です。。



まあ オプション90000円を出しても欲しい人がいるわけですから、うなずけます。

(追記 2016年7月21日〜 マダガスカルは+15万になりました。

材料がかなり少なくなってしまったようです。。)



もっといえば フォルヒのマダガスカルのアップチャージは安すぎるくらいで、
MARTIN や コリングスなんかは 40万近くあがります。


それでも 需要があるんですから それなりの違いがあるという事ですね。





シダーはやはりフィンガーピッキング向きです。社長によれば 日本でフォルヒの8割はシダーが売れているそうです。

シダーの余韻はすごく良いですよ。
とくに バラードの感じのフィンガーピッキングだと音が揺らぐんです。

ストロークも悪くはないですが、ストロークではなりすぎて 芯が太くないのでぼやぼやしてしまうかもしれません。

ストローク中心の方は スプルースがおすすめです。





世の中のほとんどにギターはスプルースですので、品質の良いシダーのセカンドギター で しかも比較的お値打ちで という事での需要が高いようです。



岡崎倫典さんも グレーベン SUMI は スプルースですよね。
それでFURCH は D23 CR (シダーローズウッド)です。




一本でオールマイティーを求める方は スプルースのほうがおすすめですね。

高音の切れ味やストロークしたときの音の芯 ギラギラ感はシダーでは幾らか弱まります。

すでにスプルースのギターをもっておられる方、またフィンガーピッキング中心の方は、シダーがいいとおもいます。

シンプルなコードでも余韻がとても気持ちよいですよ。



わたしはむかしからスプルース党でしたが、最近シダーの良さにはまっています。

ちかぢか シダーのギターの記事を書こうと思っています。。



まあ 好みの世界です。




では スプルース系のギターに行きましょう。

しかもちょっと珍しいスプルースです。


これです。
G23 LCCT エリート です




きれいなスプルースですね。装飾はやはり エリートです。

トップを拡大してみましょう




ベアクロウ(熊の爪痕)と呼ばれる 横筋が入っているのが分かるでしょうか。(実際に熊が引っ掻いたわけではありません)

これは アルパインスプルース(ベアクロウ)です。


実物はもっと色白で 絹のような木目です。きれいすぎますよ。



アルパインスプルースも高級材ですね。

バイオリンの世界で伝説の名器と言われるストラティバリにも使われていた事で有名です。


マーチンやローデンでもカスタムモデルで使っています。

海外のルシアーも使う人がいますね。

アメリカの mike baranik(バラニック)さん が作るギターを弾いた事がありますが、これもアルパインでした。




サウンドメッセでバラニックを弾いたときの写真です。やはり色白のきれいなギターですね。

個人的には インゲルマンに近い気がします。パンチ力というよりは柔らかめの良く振動する、リバーブ感がすごい材料です。


ベアクロウが入った材は 普通 オプション料金がかなり高く、十万以上する事もざらです。

フォルヒは3万できるんですね。すごい!


トップだけでなく これはバックも高級材を使っています。





ちょっとぶれててすみません。。

少し赤みがかったワイルドな木目です

これは 「ココボロ」ですね。



サイドもかなりワイルドです。






実はココボロは私も好きな材です。


重厚系サウンドが大好きなんです。



ココボロは taylor が よく使いますね。

最近では コリングスやローデンも カスタムモデルででます。

このギター自体の型番は G23 LCCT  のエリートです。

L  がアルパインを表し C がココボロを表しています。


アルパインの頭文字はA ですが A はアディロンの頭文字としてすでに使われていますので、ア の  L が頭文字になります。


アルパインとココボロの組み合わせは初めてだったのですが かなり相性が良いように思いました。




実勢価格は34万です!


これはびっくりですね。やすすぎます。(高いと思われた方ごめんなさい。。)


もちろん 高級ギターですので 普通のギターに比べたら 高いと思われても仕方がないのですが、この品質 この材 この音でこの値段は安すぎます。


ほかのメーカだとまだこの価格帯は 普通のシトカスプルース に インドローズがほとんどです。

ローデンで同じく アルパインと ココボロのギターがでていました。




同じ材料ですが、お値段はなんと。。右上を見てください



131万4360円!!


フォルヒより100万高いです。。



ローデンは確かにいいギターです。

ベンスーザン好きの私に取っては たまらないギターですし、じっさいに昔 一本ローデンギターをもっていました。


ただ、材質的にはフォルヒもかなりグレードの高い材を使っていますし、つくりもかなり丁寧です。

それを考えるとすばらしいコスパです。。安すぎますという言葉に共感していただけたでしょうか。。


ローデンは確かにいい音ですが、最近は値段が上がりすぎているのが難点です。
ネームバリューと中間マージンがすごいのですね。


10年前はグレードの高いローデンも5、60万でかえていました。。それくらいが適正価格なきがします。コリングスもそうですが あえて値段を上げて、高級なギターにするという売り方なのでしょう。。




ローデンの音 より フォルヒが劣っている というわけではなく 好みの問題だと思います。

ローデンにフォルヒの音は出せないですし、 フォルヒにローデンの音は出せません。
たしかに ローデン特有のあの音は 魅力的です


でも 値段が高いほうが 絶対的にいいと思いがちですが このくらいまで値段が上がった同士だとそうでもないんですね。

このギターは新岡ギター教室の新岡さんが試奏動画をアップしています。




値段抜きにして 二つのギターを比べても フォルヒを選ぶ方もいると思います。


そう考えるとやはり このコスパがすごいんですね。



もっといえば、このギターは実勢34万とお伝えしましたが、エリートの3万円の装飾込みの値段です。

それで 音には関係ない部分でのオプションですので、この材料、この音だけを求めれば実勢31万ということになります。



(エリートだとブリッジピンがエボニーに変わります。若干音に影響しますが、聞き分けられるのは新岡さんレベルのギターお宅の方達ぐらいです。。)




このギターはぜひ弾いてもらいたいですね。





さあ、まだまだいきましょう。



次は 超王道のコンビです。





これは G25 AGCT です。アディロンとマダガスカルの最強コンビですね。



これもよくみるとアディロンらしい木目がでていますが、やはり 目が詰まっていてかなりグレードの高いアディロンです。

25クラスは とくに厳選して材料を選定しているとホームページにありますが、アディロンもこのクラスのものはなかなかないでしょう。

サイドのマダガスカルもすごい木目です。ちょっと見にくくてすみませんが。。




バックもすごいです。海外の3桁クラスの手工ギターのバックみたいな木目ですね。。




おいた状態での写真なので、少し見にくいですが、実際に手にとって見ると本当にすごいですよ。 すごい高級感です。。

音はやはりすごいですね。 

一つの理想型として 戦前マーチンが使っていた材料、アディロンダックスプルースとハカランダというのはよく言われますが、実質現在ハカランダが枯渇しているのを考えると、これが現在のアコースティックギターの理想型なのかもしれません。


まだあたらしく しかも調整もまだできると思いますが それでも 楽器全体 ネックからヘッドまでが 力強くなります。低音もすごいですよ。


ただ、
トータルのバランスを考えるとアディロンのパンチ力と マダガスカルでは OM
 のほうがよいかもしれません。

このギターは低音が出過ぎるのですね。贅沢な悩みですが。

むきふむきとしては

変則チューニングで低音をドロップさせたり、カポを多用したりする方、

爪でガッツリと弾く方は Gがおすすめです。

また押尾さんコピーのようにどんどんたたく方も 箱なりが欲しいのでGがいいですね。




レギュラーチューニング主体で爪と指でこすり弾く方、(ソロギターの調べ的な音楽)
が多い方はOMがいいと思います。以前OM25のアディロンマダガスカルもひきましたが、
高音がでるのでメロディーがよく歌います。

いずれにしろ このギターはフォルヒだけでなく アコスティックギターの一つの理想型だと思います。。


どんなに高い手工ギターやビンテージをもっている人も このギターの良さは納得されると思いますよ。。

実勢価格47万です。

高いと言えば高いですが このクオリティーを考えると 安いくらいにも思いました。



前から順番に

OM25 ABCT

G23 CGCT ELITE

G23 LCCT ELITE

G25 AGCT

でした。






なにげなーくおいてありますがざっとこの4本で150万以上します。
車が買えますね。




今まで取り上げてきたのは フォルヒの「ミレニアムシリーズ」です。

いわゆる モダンなデザイン設計のラインですね。

ちなみに20〜25シリーズまであります。

最後の一本はもう一つのライン 「ビンテージシリーズ」です。

いわゆる マーチンコピーのラインですね。

これです。

ビンテージラインは30〜35まであります。
これは OM34 ERCT です。



塗装がビンテージ風のつや消しになります。これはこれで おしゃれです。



ヘッドもデザインが変わります。ペグもつや消しな感じです。



弦鳴よりのギターですので カントリー ブルース 系に合いますね。

MARTIN のOOO28EC はいいギターですがそこまで予算がない方はこの選択肢もありです。

人とかぶりませんしね。


いい音ですが、このサイズだと アディロンやマダガスカルじゃないと 低音は期待できません。

ビンテージシリーズでも材やそうしょくのオプションがあります。

日本で主にラインナップしているのは34シリーズのみですが

FURCH の 本国のサイトを見ると30〜35シリーズまであります。

つや消しの30 31 シリーズは20万以下でかえますよ。

ちなみに35シリーズはビンテージとモダンの融合と行った感じでかなりかっこいいです。

ぼくもほしい。。

バインディングがコアになります。







ウッディーな感じがいいですね。。

ノーマルのスプルーストローズモデルなら30ジャストくらいだと思います。

(追記 2017 7月)
 
(追記 2017 7月)
 
いつも、このページをご覧いただきありがとうございます。


たくさんのアコギ好きの方からご質問をいただいています。

とりわけフォルヒの詳しい仕様や、予算の中で自分のスタイルにあったモデルはどんなものか相談を受けることがよくあります。


スタジオの在庫の中から、状態の良い個体を選んでください みたいなのも意外に多いです。


そんな流れを経て、またスタジオMからの依頼も受け、私のこのページでも正式にフォルヒをご案内できることになりました。


(実際には購入したいモデルをご指定いただき、総代理店のスタジオMの在庫からわたしが選定いたします。もちろん写真などをお送りして選定していただくことも可能です



しかも、その時々によって違いますが、結構いろんな特典をつけれます。プレゼントや調整、あるいはここに書けないこともできるかもしれません。。


フォルヒのご購入や、オーダーのご相談はいつでも受け付けています。


どんな小さな悩みでも遠慮なくどうぞ。もちろん今まで通り購入に関係ない質問も遠慮なくいつでも送ってください。


ここには書けない情報やデータも実はかなりストックしております。。


(このブログではカスタムモデルのレポートや超高級モデルの詳細レポートもあります。よければ一覧からご覧ください)

実際にフォルヒのチェコ人の社長に聞いたことなど裏情報もたくさんありますので。。



取り扱いですが、具体的には総代理店で在庫している完成品のフォルヒは全てこの教室経由でも購入できます。


スタジオMでいつも全てのモデルをネットに出しているわけではないので、その時に在庫しているモデルをご案内できます。

また、オーダーも受け付けていますよ。




どちらもこの教室だけの特典がありますので、是非お気軽にお問い合わせくださいませ。ご質問、ご相談はこちらまで

フォルヒのカスタムモデルはたぶんこれから(2015年7月現在)いろんな楽器店を回ると思います。

もしお近くの楽器店にくる事があれば 試してみてくださいね。

(このページに対するご感想や、アコースティックギターそのものやアコギ音楽等についてのご質問、ご相談等有れば こちらまで 

忙しいと返信に時間がかかってしまいますが、誠実なご質問にたいしては私に分かる範囲の事であれば喜んでお答えいたします。


また、愛知県尾張地域周辺の方で ギターレッスンにご興味が有る方のレッスンも随時受け付けております。

スケジュールが立て込んでいるとご希望に添えない場合も有りますが、ぜひ一度お問い合わせください。

私個人のレッスンは こちらのページ

江南市のスタジオエムでのレッスンは  こちらのページ

をご参照ください。)

3 件のコメント:

  1. こんにちは!突然のコメントすみません。
    スタジオmさんでビンテージシリーズom35はオーダー可能でしょうか??

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  2. こんにちは!お久しぶりです。

    はいできますよ〜

    本国のサイトにあるモデルも含めて全てオーダー可能です。

    ちなみに35は多分日本に一本もはいてきてないのでかなりレアですね。。

    私も生では見た事無いです。

    返信削除
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    1. おお!覚えていてくれましたか!笑 ありがとうございます。
      そうですか! それは 余計に 欲しくなりますね!! もちろん 納期もかっっなり 長くなると思いますけど それも覚悟の上なので、 今年の 夏にはオーダーします!
      丁寧な返信 ありがとうございました!!

      削除