MARTIN には様々のモデルがありますね。
みなさんのお好きなモデルはなんでしょうか??
ソロギターですと、やはりOMやOOOなどスモールボディーのギターが魅力的ですね。バランスがよく、特にプレーン弦の響きが美しいのです。
レギュラーチューニングを使用されることが多い方には、とりわけ扱いやすいギターたちですね。クラプトンモデルなどはブルース系にはもってこいですね。
一方変則チューニングを多用される方ですと、スモールボディーだともう少し箱なり感が欲しいという方もおられます。マイケルヘッジスや押尾コータローさんはD28を使用されていますね。迫力の低音です。
でもドレッドだとレギュラーチューニングでソロギターを弾くには、
すこしもたつく、、重い、、と感じるかもしれません。
これはマーチンに限らず言えることですね。スモールサイズだと低音が寂しく、、でもドレッドノートだと重すぎるという悩みです。。
それで各種メーカーがそれぞれのいいとこ取りの中間のサイズ、いわゆるSJ (スモールジャンボ)サイズのギターをたくさん制作しています。
テイラーなら14(314 814 などなど)、フォルヒ ならG (G23など)、ラリビーならL(L10)
などが代表的なSJサイズのギターです。
一本でオールマイティーに使えるギターとして人気が高いボディーサイズです。
ではマーチンにはこの手のサイズがあるでしょうか??
マーチンの甘い音色、そして溶けるようなハーモニーは魅力的ですね。。
その音色はそのままで、低音から高音まで比較的バランス良く響くギターがあるでしょうか??
しかも、、願わくば、、
マーチン40番代、縦ロゴのデザインで、しかも40番代の美しい倍音が入ったギターがあるでしょうか??
そんなギターを見つけました。
こちらです。
MARTIN J40(2019)です。
J=ジャンボです。
カタログにはドレッドよりも大きいマーチンで最大のサイズと言われています。ボディーの容積は確かにドレッドよりも大きいのです。
でもドレッドと違ってくびれがあるので、音のバランスで言うとドレッドよりは高音がしっかり出る印象でした。
このギターの音のバランスがかなり良いと思うのです。
まずサイズから来る低音が深いのです。
でも、ただテンションの張りで出している低音ではなくて、ズーンという深さを感じる低音ですね。ハーモニーがしっかりしたギターの特徴です。
でも、メロディーのキラキラした感じで、とても綺麗ですね。鈴なり感があります。
このギターは40というシリーズです。
マーチンの縦ロゴには41 42 45 とありますね。
それぞれ倍音がありますが、モデルによって明らかに倍音の入り方が違います。
45は1秒後くらいに基音を包み込むほどの深い倍音に包まれますね。鈴なりと呼ばれるあの音ですね。
42になると倍音の入るタイミングはほぼ一緒ですが、すこし倍音が抑えられているように感じます。
41になると、かなり基音がしっかりしています。倍音が入りますが、1秒後に一気に上がるというよりは、ゆっくりとした曲線で上がっていく印象です。
(マーチンの40番代の音を再現できる数少ない製作家のお一人と言われている方に愛媛県の塩崎さんがおられます。
塩崎さんの最近のインタビューによると、45 42 41それぞれの音を作り分けることができるそうです。。
世界的にも、この秘密を知っておられる方はほとんどいないように思います。)
このJ40は私の中では41にかなり近い印象です。
基音はしっかり残っているので、輪郭はぼやけないまま、軽ーくリバーブ感が続く印象です。
マーチンに限らずSJサイズのギター全般に言えることですが、いくら「バランスが良い」といっても、どちらかというとやはり低音よりになるように思います。
それで、どちらかというとやはり変則チューニング系似合うかもしれません。
チューニングを下げてカポをつけるスタイルなどにはとても合うように思います。
このギターはこの倍音のおかげで、高音側にキラキラした高い周波数の音が混ざるので、メロディーも埋もれないのだと思います。
数年前、全米フィンガーピッキングチャンピオンになった女性ギタリスト、Christie Lenne
も長年使用しているようです。
低音から高音までバランスが良いですね。
マーチンの綺麗なハーモニーは残しつつ、現代的なソロギターにも使えるバランスの良さがありますね。
ちなみにマーチンでSJに近いサイズでいいますとMまたはOOOO(クアドラ)と呼ばれるサイズもあります。
こちらは以前スタジオMに入荷していたM-38 と呼ばれるギターです。
J40とトップの面積(サイズ)は同じです。違いはボディーの厚みです。
”M”は”OOO”や”OM”と同じ厚みです。
ちなみにJ40はドレッドと同じ厚みですね。
Mはトップのサイズが大きいので、OMよりは低音が出ます。
しかもボディーが薄いので素早く弾けるようなポーンという低音で、これはこれでレスポンスが速く魅力的なギターでした。ラグタイムやカントリーブルースにはとても合うと思います。
ただこのギターには倍音はなく、設計的には28に近い音作りでした。
レギュラーチューニングを多用される方でもっと早い低音が欲しいという方にはかなりお勧めできるモデルのように思います。
変則チューニングも含めた現代的なソロギターですと、やはりJ40がかなりお勧めです。
圧倒的な低音に加えて倍音もあるので、高音側も美しいのです。
ではJ40を詳しく見てみましょう。
まずケースが大きいですね!
トップはシトカスプルースです。サイドバックはインディアンローズウッドですね。
写真だとすこしわかりにくいのですが、サウンドホールリングはアバロンです。
ブリッジピンもアバロンですね。40番代のファンとしてはこういう細かいところの使用にニヤニヤいたします。
ヘッドは縦ロゴです。ピンクアバロンが綺麗に入っていますね!
別角度です。ペグはグローバーのゴールドがついています。
マーチンは定期的にペグのメーカーが変わりますね。GOTOHの時もあれば、シャーラーの時もあります。
いずれにしろ、縦ロゴにゴールドペグというのはなんとも魅力的です。
ソリッドアバロン(一枚貝)ではありませんが、模様がマダラで綺麗ですね。
この辺りのトータルデザインも41を連想させます。
このギターは2019年製です。J40自体は1985年からあるモデルです。
20年モノなどだと音も抜けてきて、ビンテージの音でとてもいいと思います。ネック材も昔はもっといいマホガニー が使われていたかもしれません。
しかし、、近年製のメリットもあるように思います。
それはフォーワードシフトブレーシングです。
ブレーシングの交点の位置がよりサウンドホールに近くなりました。
以前のJ40はスタンダードブレーシング(もう少し後ろ)でした。
これはゴールデンエラ(黄金時代)と呼ばれるマーチンのビンテージ仕様のギターに広くみられるモノで、今でも圧倒的な人気のある仕様です。
抜群の鳴りと音抜けで広く知られていますね。
やはりこのブレーシングのファンが多いことから、2018年にマーチン社のレギュラーモデルの多くがフォワードシフトが標準になりました。
このJ40にも採用されています。
それで、元々の音の良さにさらに、ビンテージライクな音の抜けや鳴りがプラスされてさらにブラッシュアップされたように思います。
40番代のデザインで、低音から高音までバランス良く出て、倍音があって、フォワードシフトのビンテージ感もあって、、
40番代の中では一番安く新品で48万くらいになるようです。
すこしマニアックですが、ソロギター系の方には一度試していただきたいギターでした。
さて次回は、久しぶりにフォルヒ が登場いたします。。
ブログ読者の方がオーダーされたモデルですが、これがすごいのです。。
どうぞお楽しみに。。
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