最近フォルヒは 23シリーズでも 材料のオプションや装飾のオプションが増えたんですね。
今月の到着分は11月のサウンドメッセにむけて 新たに加わった様々なオプション仕様のフォルヒが届いていました。
レッスン当日は忙しくて時間がありませんでしたが、昨日(10月19日) 生徒のS君がスタジオエムにすこし用事があるとのことだったので 便乗して そのついでに一緒に試奏しにいくことにいたしました。
この生徒のS君ですが、私の生徒さんの中でもピカイチのセンスをもつ 将来有望な生徒さんです。 高校生の時から通ってくれていましたが ずっと良いギターが欲しいといっていました。
時はたって 大学生になり バイト代をためて ついに今月 フォルヒをオーダーすることになったのです。 以前に店頭にあったものは全部試しましたが G23ERCT をオーダすることにしました。イングルマントップですね。
スタジオエムへの用事というのは このオーダーの前金の支払いだったんですね。 そのついでに 遊びで フォルヒを試奏しにいったのですが、それが思わぬ結果を生むことになったんですね。。
それは後ほど。
さて
今回試奏したギターは
G23 SRCT (ノーマルのシトカスプルース と インディアンローズ)
G23 ARCT (アディロンダックスプルース と インディアンローズ)
G23 AGCT (アディロンダックスプルース と マダガスカルローズ) の3本です。
すべて G23 のカッタウェイで トップはスプルース系です。
シダーの魅力もありますが、今回はスプルース中心です。
今回 試奏した様子を 動画で取りました。
同じ条件で録音しましたので、音の違いをお楽しみいただければと思います。
また最後にはアディロンフォルヒ2本での ギターデュオもありますのでお楽しみに。。
(追記 このブログを見てフォルヒをオーダしました! という嬉しいお声をたくさんいただきます。
うれしいですね。 もしこれからスタジオエムでオーダされるときはぜひ このページを見たとお伝えくだされば嬉しいです。)
まず一本目です。
G23 SRCT です
シトカスプルースとインディアンローズウッドです。
一番スタンダードなモデルですね。
装飾もオプション無しです。これはこれでシンプルで好きという方もおられるでしょう。
(モバイルの方はクリックするとより高解像度になります)
サイドのインディアンローズはこんな感じです。悪くないですね。
まさに スプルースとローズウッドの大定番モデルといった感じです。
では実際に音を聞いてみましょう。
できれば イヤホン もしくは ヘッドホンで 大きめの音量で聞いていただけるでしょうか。
より音質や音圧 リバーブ感等が伝わるかと思います。
営業中の店内での録音なので 若干周りの音が聞こえています。。
すみません。
でも いい音ですね。
スプルースの芯のある音 インディアンローズの重厚感 十分ですね。
音量もしっかりでていますよ。そんなに強く弾いていませんが、しっかりとでるんです。
オール単板で 一本欲しいという人には 十分なクオリティーですね。
では これ「標準」と考えて、全く同じ作りで 材がグレードアップするとどんな音になるのか聞き比べてみましょう。
2本目です。
G23 ARCT です。
1本目のギターとの違いは トップ材のみで あとは デザインも木も全部同じです。
これが今回から加わった新しいオプションの一つです。
今まで25シリーズでしか できなかった アディロントップの変更が23シリーズでもできるようになったんですね。
アディロンは スプルース系では最高峰と名高いギターですね。
戦前マーチンがトップに使っていた材です。
アディロン独特の木目です。ノーマルのシトカより ワイルドな 木目がでるのが特徴ですね。
デザインはノーマルの23シリーズと変わりません。
ヘッドもペグも一本目の標準モデルと変わりません。
それでも 十分高級感はあると思います。
サイドバックは ノーマルのインディアンローズです。バインディングもノーマルでオプション無しです。
いい木目ですね。
では どんな音がするのでしょうか?
先ほどと同じ条件で 撮影した動画をみていただきましょう。
聞き比べですが、このような動画の場合、音量を上げたり下げたりしてしまえば純粋に比べることができませんよね。。
それでもしできれば 一本目を大きめの音量でまず聞いていただいて、
その音量設定をいじらずにこの先の動画もみていただけたら より実物に近い変化を楽しんでいただけると思います。
では G23 ARCT を聞いてみましょう
(やはり周りが少しうるさくてごめんなさい。。)
違いが分かりましたでしょうか。
明らかに音量がまします。
実際に弾いてみると歴然です。アディロンはよくパンチ力がでるといいますが
まさにそのような 迫力の音圧という感じです。
くわえて 音がコーラスしている感じ(揺れている感じ)が分かるでしょうか。
ユニゾンの多いコードを弾いたのもありますが、ノーマルのシトカに比べて
明らかにコードがとけ込む感じです。
めちゃめちゃ気持ちいいですね。。
音圧も あまり強い力で弾いていませんが 十分すぎる迫力ででます。
もちろん 強く弾くと しっかりとしたレスポンスで音が跳ね返ってきます。
グレードは23ですので、1本目と作りは全く同じです。
材料だけでこんなに変わるんですね。。
もちろん 録音の設定も同じで 音の編集やエフェクトもなしです。
動画で こんなに音に違いが分かるのですから、実際に弾いてみると歴然ですよ。
昨日 社長ともお話しましたが
このアディロントップの選択が23シリーズでできるのは大変良いですね。
装飾はシンプルでいいから 音にこだわりたいという方にはとても良いと思います。
ただ選択肢が増えて、なかなか迷うことになりそうです笑
たとえば
・今回のようにトップだけアディロンにするのか。
・トップはノーマルのシトカあるいは1万アップのイングルマンにして
サイドバックをマダガスカルにするのか。
金額的にはかなり近いですので、なかなか迷うところですね。
個人的にはアディロントップの選択はかなり良いと思います。
よく音に関して トップが7 サイドバックが3 といいますが、
やはり 直接弦の振動が伝わるのはトップなので、トップ材のグレードは重要ですよね。
しかし、、
やはり一番は トップ アディロン サイド マダガスカルの最強コンビです。
3本目に行きましょう
G23 AGCT です。
すでにオーラがありますね。。
トップはアディロンです。やはりワイルドでかっこいいですね。。
サイドバックをみてみましょう。
おお!!
これはすごい木目のマダガスカルローズです。ここまでくると 木工品としても価値がある気がします。
しかしやはりギターは良い音が出てなんぼです。
見た目だけだったら 中国にもおしゃれなギターはたくさんありますもんね。。
では G23 AGCT の音を聞いてみましょう。
やはり先ほどと同じく、
まず 一本目 もしくは 二本目を 大きめの音量で聞いてみて、
その設定のまま 三本目を再生してみてください。
より違いが分かりますので。。
いかがでしょうか。。
はっきりと違いが分かっていただけるのではないでしょうか。。
音量 音圧 残響感 コーラス感 もうすべてが別次元の感じです。。
先ほどの2本と全く同じ条件での録音です。
音も全く加工してませんよ。。
きっとあまりギターを弾き(聞き)比べたことない方でも この違いは分かっていただけると思います。
最初のギターがもう一本かえるくらいの値段がしますので当然といえば当然ですが、
正直この音が出れば 趣味の世界では最高峰な気までします。。
実際の曲ではどんな感じでしょうか?
S君が アンディーマッキーの曲を このギターで弾いてくれました。
その様子も動画でご覧いただきましょう。
ただ、より周りの音がうるさいのと、途中 ブブブという機材のノイズがはいっています。音の雰囲気だけでもつかんでいただければ。。
(ごめんなさい。。急遽録音したもので、、。)
いかがでしょうか??凄まじい音ですね。
雑音やノイズがあって申し訳ありませんが
逆に言えば それにも生まれないすごい迫力 & 音の揺れです。
ギターを最大限に生かしきる S君の演奏もすばらしいですね。
単に技術的にうまいだけでなく 音楽的な表現もすばらしいですね。
次回のスタエムの岡崎倫典さんのライブで前座も頼まれているようです。
このページの最後のほうに フォルヒ2本でS君と撮った動画もありますので 合わせてご覧くださいね。
さて ギターのはなしに戻しましょう。
すでにお気づきの方もおられるかもしれませんが、この3本目には新しく始まった装飾のオプションもついています。
今までは 23シーリズは エリート という装飾オプションのみでしたが、(こちらをご参照ください) 最近より細かくいろんな装飾がつけられるようになりました。
まずバインディングです。
バインディングがコアになっています。
今までは25シリーズだけでしたが、23でもつけられるようになりました。
バインディングも木だとデザインが締まりますね。サイドはこんな感じです。
エリートや25と違い ボディーのみの変更となります。
トップのスプルースと相まって、ものすごい高級感がでますね。
ちなみにバインディングは
コア と メイプル と パドゥクの三種類があるそうです。
メイプルはエリートの記事で見ていただいたとおり 白っぽい木です。
パドゥクはどんな感じでしょうか?
試奏はしていませんが、まだ調整中のG23AGCT (今回の2本目と同じもの)が展示してありました。
赤い木材です。かなりモダンでかっこいいですね!サイドはこんな感じです。
ぶれててすみません。 これもデザインとしてとても良いです。選択肢が増えて楽しいですね。
正面はこんな感じです。
これもアディロンですが かなり広めの木目がでていますね。
アディロンらしいも木目です。
さて
よく見ていただくと指板にも木目がでています。
バインディングの他に 指板とブリッジの木材をかえれるオプションも増えました。
ジリコーテという木と フィギャードエボニー という木が選べます。
このギターは ジリコーテ指板&ジリコーテブリッジです。
指板がほんのり赤みがかった模様がでているのが特徴です。
ブリッジもよく見ると変わっています。アップしてみましょう。
なかなか面白いもようですね。実物はもっと赤い感じです。
さきほどの3本目の G23AGCT も指板とブリッジが 変わっています。
こちらは フィギャードエボニー のほうです。
おお!これもすごい
ブリッジもおなじフィギャードエボニーです。
かっこいいですね。
なかなかこのように細かく自分好みのデザインを選べるメーカは少ないですよね。
このような細かい装飾が相まって、、
どーん と このように シンプルだけど 高級感のあるギターになります。
もちろん基本は23シリーズなので ヘッドや ペグ ブリッジピンは ノーマルのままです。
これが25シリーズだとこんな感じです。
これは 以前のブログにも登場した OM25 です。
上の23の写真と比べて装飾はいかがでしょうか?
25もいいですね。細かいところまで凝ったデザインです。
23のバインディングオプションと違い、ボディーだけじゃなくヘッドやネックのサイドにもコアのバインディングがつきます。
たしかに 25は高級感がでますが、シンプルな高級感を求める方には23で細かいオプションで自分好みにするのはかなり良い選択肢ですね。
これで先ほど聞いていただいたとおり、あんな良い音がするんですから、フォルヒが人気なのもうなずけます。
さて
せっかくこんなギターがありましたので、最後にS君と二人で セッションして遊んでみました。
一発取りで即興なので 所々 気になるところがあると思いますが、
遊びなのでご勘弁を。。
音だけでも伝わればと思います。。
左のSくんが 3本目のG23AGCT 右が私で 2本目のG23ARCTを弾いています。
アディロントップ同士の贅沢なセッションですね。
まずはドンロスです。
パッションセッションというアルバムに入っている 「バークレーイ スプリングス」と言う曲です。
思ったよりいい感じだったので、いつかちゃんと撮り直したいですね。
S君の演奏すばらしいです。
さてさて
そのS君ですが、、
今回 の試奏で 注文するギターを アディロントップ&マダガスカルにチェンジしました。
大学生なので ほんとにほんとにギリギリだったと思います。ノーマルのSRCT が2本かえる値段です。。
なんども 電卓をたたいて計算していました。
もちろんシトカが悪いわけではなく、それらの材特有の良さもあります。
でも やはり アディロンのすごさを体感すると その魅力からはなかなか抜け出せないのですね。。
最高峰といわれるだけはあります。
今日紹介したギターのうち何本かは サウンドメッセに出店されると思います。
実際に手にしてみて、 体感していただけたらうれしいですね。
いつも楽しく拝見させていただいてます(^^)
返信削除先生の人柄、S君の男気と演奏の凄さ、水野さんの素晴らしい人柄、まじstudio Mさん信者です(笑)
私はG25AGCTを所有してます、手塚と申します!
水野さまに聞けばわかると思います(笑)
様々な場所や依頼で弾いてますが、このギターを凌ぐギターはないと確信しています。
凄すぎて言葉が見つかりません(笑)
furchに出逢えた私はどんな幸せものより幸せものですよ。
これからも先生のblog、studioM様の御多幸をおいのり申し上げます。
本当にいつも幸せです、furchをありがとうございます(^-^)
soroguitarist 0303 様
削除コメントいただきましてありがとうございます!
ブログいつもご覧いただき嬉しいです。
ちかじか 25シリーズAGCTの記事も書く予定でおりますので、またご覧いただけたら嬉しいです!(動画だけYOUTUBE に 先にアップしました)
先生お返事ありがとうございます(^-^)
削除AGCTの記事楽しみにしてます!
寒くなりますので、どうぞお身体もギターも御自愛下さいませ。
このコメントは投稿者によって削除されました。
削除最近FURCHに興味があり検索していましたら、なんと弾き比べが!!アディロンダックスプルース素晴らしいですね。いい音するな~~と思いました。カスタム、、、、、、
返信削除コメントいただきありがとうございます!
削除実際に弾いてみますと、もっとすごいですよ。
機会があればお試しくださいね。
furch弾き比べとても参考になります。
返信削除私はOMアディロンとマダガスカルを購入して、ナットサドルを牛骨にしましたけど最初ほど音に迫力がなくなりました。やはりTUSQに戻すべきか考え中です。なにか参考になることがあればお教えください。
素材の違いというよりも、サドルナットの形状、サドルとナットに弦が点接触か面接触か、またサドルとナットに当たる弦の角度が大きな影響するとおもいます。
削除初期状態(スタエム出荷時の調整)だと、それらのバランスでかなりテンションが高めにしてありますので、張りがある迫力の有る音に感じやすいと思います。
新岡さんのおすすめの調整ですと、もっとテンションを下げてぱりっとした音ではなく、もっと長くのびる音、テンションがゆるく弾きやすい調整になると思いますね。
完全に全く同じ形状でしたら、やはりタスクより牛骨のほうが音の深みや立体感がでると思います。
ギターはじめたてですが、この記事に後押しされてスタジオMでG23 SRCTを買いました。
返信削除ところでG23 SRCTで弾かれている曲について教えていただけないでしょうか。
今まで聴いた中で一番気に入ったので似たジャンルの曲を練習していきたいです。
あと、レッスン興味あります。初心者でも大丈夫なのでしょうか。
こんにちは!ご質問拝見いたしました。
返信削除レッスンは全くの初心者でも大丈夫ですよ。メールにてお問い合わせいただければ、詳細をお伝えできますのでよろしかったら〜
動画で弾いている曲は、その場で適当に弾いたアドリブなのですね笑
レッスンなどで同じフレーズを練習する事は可能ですし、オープンコード 関連の教則本などを見ると 似た雰囲気の響きのふれーずをれんしゅうできるかとおもいますよ〜
ギター頑張ってくださいね