2015年11月16日月曜日

・「良いアコギのはなし」その11〜サウンドメッセ2015 いろんなギターの試奏記

11月14日 15日と 大阪でサウンドメッセ2015が開催されました。

フォルヒギターも毎年出店しています。その関係で招待をいただいたので、生徒のS君とUさんといってきました。


愛知からは車で3時間くらいでしょうか。

入場したとたん、凄まじいギターの本数に、S君もUさんも とてもテンションがあがってました。

しかも雑誌やネットでしかみたことがないすごいギターの数々です。


アコースティックギター好きにはたまらないイベントですよね。




到着してとりあえず フォルヒのブースにいきました。

すでに たくさん試奏しておられる方がいましたよ。




(モバイルの方はクリックするとより高解像度になります)


今回は以前のブログで書いた カスタムモデルが中心でした。(こちらをクリック

会場には3時間くらいの滞在でしたが、いつ前を通っても お客さんがいましたよ。

人気なんですね。


さて、早速いろんなギターを試しにいきましょう!




(余談ですが、このようなアコギショーに参加すると 本当は弾いてみたいギターがあっても、遠慮してしまい安めのギターしか弾けなかったという方が 意外に多いようにおもいます。

分からなくもありません。

とくに まだ習いたてで 演奏に自信がなかったり、ギターそのものの知識が浅いために、メーカーの方や制作家の方の前で ギターを弾くと緊張するかもしれませんね。



でも実際に弾いてみると分かることもいっぱいあるので 勇気を出して弾いてみると良いですよ。


Sくんも初めての機会だったので最初は控えめでしたが、最後は自分でがんがんいろんなブースに行き 試奏していました。)




今回は滞在期間も限られていましたので、S君と いろんなブースで とにかく一番高いギターを弾きまくろうという 裏テーマのもといろんなメーカを試しました。

すべて取り上げることはできませんが、 その中のいくつかをご紹介いたします。




まずは ヤマハです。


ヤマハのブースはLシリーズ中心でした。

迷わず一番高い LL86 ARE カスタム を弾きました。




トップは YAMAHAお得意のARE 加工をしたイングルマンスプルース
サイドバックはもちろんハカランダです。

お値段は150万です。


ぼくが今まで弾いたヤマハの中で 一番高いモデルです。

ノンスキャロップの芯のある音が特徴ですね。まさに 日本のフォークの音です。


ブースの方が「もっと何年もたつと すごい音になる」と しきりにいっていました。

宣伝文句だと思いますが、、なんか 今の段階では あまり鳴っていないって認めてしまっている気がします。。

もちろん 芯のあるすごい音ですが、僕好みではありませんでした。
日本製は強度優先ですので もっとテンションをかければ鳴るでしょうが、弾きにくくはなりますよね。。




次のメーカに行きましょう。

同じヤマハのブース内ですが、、BREEDLOVE (ブリードラブ)です。





ヤマハが代理店をしているのですね。

ブリードラブは確かにすごいギターです。以前の記事も良かったらご覧ください(こちらからどうぞ

今まで弾いたブリードラブすべてすごかったですが今回弾いたのはうえの写真の左から6番目の少し隠れているギターです。




Brazilian Concert 25th 

というモデルです。25周年記念のリミテッドモデルですね。
1,225,000円です。 

オーラがありますね! トップはシトカスプルース サイドバックはハカランダです。


これは ほんとにほんとに本当にすごい音でした。

ブリードラブの革新的な設計と 最高の材料のコラボです。

音圧がすごいんです。サウンドメッセの会場はいろんなところでライブや試奏がなされているので けっこううるさいのですが その中でもはっきり分かる振動です。



体から 骨まで振動が伝わる感じです。大げさに聞こえますが 本当にすごい音でした。


やはりブリードラブはすごいメーカーだと思います。

低価格帯だと 材料が一般的なものになり 装飾が シンプルになりますが 基本的な作りは同じです。

十分いい音ですよ。まだ弾かれたことない方 これは見過ごせない音です。。

つぎにいきましょう

メイトン です。




ここで弾いたのは、写真の上の段 左から2番目のモデルです。確か一番高かったので。。
70万くらいだったでしょうか。。

スプルースに ブラックウッドだったと思います。
生音にこだわって カスタムショップが作ったモデルだそうです。
(試奏時の写真を撮るの忘れました)


メイトンはスモールボディーのモデルでも 厚みがあるのが特徴ですね。

おかげで サイズの割に低音がしっかりとでます。

S君は フォルヒの次はいずれメイトンも欲しいらしく いろんなモデルを試していました。



トミーエマニュエルのモデルと似ていますね。



いろいろ試してみます。

艶ありで ローズウッドのモデルもありました。
やはりスモールボディーですが 厚みがありますね。





このモデルは比較的安めだそうです。やはり 厚みがあります。





メイトンは確かにいい音ですが、やはりエレアコが売りのメーカですね。

プロがよく使っているのはそのためだと思います。

ここでもスタッフの方が「このメーカーは ラインの音で初めて良さがでる」と言っておられました。

メーカサイトでも 「生音こそ好みがわかれる」とありました。



もちろん悪い音ではないのですが、ライブを普段しない方であれば もっと生音にこだわったメーカを選択肢に選ぶのも良いと思います。

もちろん 最初に紹介した、生音にこだわったカスタムショップの音はよかったですよ。




さてつぎにいきましょう。いまや マーチンを抜いて生産量世界一のメーカです。

そう TAYLOR (テイラー)です。

一番高いのはこのギターでした。



高級感がありますね。914CE です。 テイラーのレギュラーラインで一番高い900番台です。

ノーマルのシトカとローズですが かなりかなり良い材料を使っています。


お値段は85万ほどだったでしょうか。アームレストもついてます。




900番台は生音でもいい音がしますね。

テイラーの設計は侮れません。コードがとけ込むんですね。。音楽的に。。


また、NT ネックで 仮にネックが起きても リセットがしやすいのが やはりテイラーの売りでしょうか。

これもやはりメイトンと同じく ライブを良くされる方には 良いギターかもしれません。


ステージで常に弦を張りっぱなしでも 簡単にメンテナンスできますし、esシステムでピックアップでも良い音が出ます。

デザインもおしゃれですよね。


ただ高いのが難点ですね。。
たぶん中間マージンがすごいのでしょう。。

たくさんの有名アーティストが使っているので テイラー憧れが強い方もおられると思います。確かに良いギターであることには間違いありません。

調整が難しいギターですが、しっかりとネックの状態が良いテイラーはすばらしい音がします。




さて



一通りメーカを巡ったあと、楽器店が出店しているエリアにもいきました。



まずは Blue-g さんのブースです。

ビンテージマーチンやギブソン、また海外のルシアーに強いショップですね。わたしも以前お店に伺ったことがあります。

Sくんが グレーベンを弾いたことがないと言っていたので グレーベンを弾かせていただきました。

プレーリーステートモデルですね。






私は弾きませんでしたが、グレーベンはいい音がしていますね。たぶんばっちり調整すればもっといい音が出るでしょう。


ちなみにブルージーさんのブースに (多分)今回のサウンドメッセで一番高いギターが展示してありました。

1938年の D-28です。
この時代は 基本がアディロンとハカランダです。アップチャージとかではなく
レギュラーラインがすべてそうなんです。

すごい時代ですね。

さて


値段が見えますでしょうか??





いち じゅう ひゃく、、

なんと!!

11,000,000えんです! 

しかも税別です。

消費税だけで88万です。さっきのテイラーがかえますね。


さすがにこれは弾く勇気が出ませんでした。
38年ものなので 戦前 いわゆるプリウォーマチーンです。


年々値段が上がっていくんでしょう。数が増えることはないので。。


過去に目を向ければ 今現在が 一番高いんですが、

将来に目を向ければ 今現在が 一番安いんでしょう。。





さすがにこのビンテージは触りませんでしたが クロサワ楽器のブースでビンテージマーチンは一本触らせていただきました。


これです。





1945年の OOO-28です。


220万ほどだったと思います。


サイドバックはハカランダですが、トップはアディロンダックか シトカか 分からないとのことでした。






確かにオーラはすごいです。箱鳴りがすごいのも分かります。


ただ 調整がうまくいってない感じで いわゆるビンテージマーチンの爆発的な 鳴りはありませんでした。振動がどこかで逃げているような感じです。




ビンテージはとくに調整がうまく行かないと ただの骨董品になってしまいますね。


ちゃんとしたプロに調整してもらいたいギターでした。





さてさて


ここまでで 実際に試奏した最高額は220万のマーチンでしたが、、


最後の一本は今日最高額です。


じつは このギターが今回のサウンドメッセで一番弾きたかったギターです。


これです。




三木楽器さんのブースで弾かせていただいた

リンダ マンザー の パットメセニーモデルです。

トップはジャーマンスプルース サイドバックは 普通のインディアンローズですが お値段は、、


3,780,000です。



パットメセニーの大ファンである私にとって いつか弾いてみたいギターでした。



これは!!


本当にすごいギターでした。正直まだ調整を詰めれると思いましたし、弦も死にかけでしたが、それでもすごい音でした。


ちゃんと調整したら どんな音なんでしょう。。



このモデルをあのポールサイモンも購入したことは有名ですね。。


値段に負けない すごいギターでした。





リンダマンザーはラリビー出身の方ですが、

ラリビー出身には グリッドラスキンや サーゲデヤング等 

値段が100万越えしても 人気がある超売れっ子ルシアーがおおいですね。


ラリビーの設計も一つの理想型なのかもしれません。



新岡さん宅 で弾かせていただいた ビンテージラリビーも凄まじすぎる音でした。


もし新岡さんのギターが70年代だとしたら、ラリビーさん、リンダマンザーさんやラスキンさんらが ごくごく少数で制作していた頃でしょう。



そう考えるとすごいギターなのもうなずけます。



今回、ラリビーさん本人がこられると聞いていたので楽しみにしていたのですが、私が会場にいた間には、お会いすることはできませんでした。


ラリビーもすごいギターがたくさん展示してありましたよ。







いかがだったでしょうか??




写真はありませんが これ以外にもたくさん弾きました。


SくんもUさんも 最後のほうには一人で ルシアーブースに行き ウォーターロードや亀岡等 いろいろ弾いていましたよ。


手工品は自分好みのデザインで自分好みの音で作ってもらうことも可能ですね。




ただメーカ製の 高級モデルも確かにすごいです。


考えてみれば ラリビーさん テイラーさん ブリードラブさん コリングスさん等

個人ルシアーとして すばらしい才能があったんでしょうね。

技術もアイディアも。


だからこそ 個人だけにとどまらず

 中規模 大規模メーカにもなっていたのでしょう。



今回。。



いろいろ弾いた中で  値段が爆発的に高いリンダマンザーを別にすれば 個人的に一番凄まじかったのはブリードラブのハカランダでした。




まさに 設計と素材の融合といったかんじでしたね。ブリードラブ良いギターですよ。。




UさんとSさんとさいごにまたフォルヒのブースに戻ってきました。


おふたりとも いろいろ弾いたうえで フォルヒの良さ とくに アディロンマダガスカルの良さを 再確認しておられました。


Sくんは「フォルヒがこの音でこの値段だったら 安いぐらいに感じる」といっていました。


たしかに100万前後のギターを弾いて少し金銭感覚が麻痺したのかもしれませんが笑、


それでも フォルヒのアディロンマダガスカルなら 他のメーカの上位クラスにもそれなりによい勝負ができるでしょう。


23シリーズなら40万くらいであの音が出ます。



趣味のアコギの世界であれば 十分すぎるくらいの音ですね。





来年もまた行ってみたいと思いました。



(このページに対するご感想やアコースティックギターそのものやアコギ音楽等についてのご質問、ご相談等有れば こちらまで 

忙しいと返信に時間がかかってしまいますが、誠実なご質問にたいしては私に分かる範囲の事であれば喜んでお答えいたします。


また、愛知県尾張地域周辺の方で ギターレッスンにご興味が有る方のレッスンも随時受け付けております。

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