2016年12月17日土曜日

・「良いアコギのはなし」その23〜ブリードラブ 最高峰のマスタークラス エドガーハードモデル

このブログでは、高級手工ギターやいろんなメーカーの上位モデルの試奏記も沢山ご紹介しております。


そんな中、今回ご紹介するギターは




個人的な感想では、

今までひいてきた沢山のギターの中でもとりわけインパクトのあるすごいギターです。。

先月もブルージーさんやドルフィンで沢山のギターを弾きました。

ソモジやグレーベン、マーチンのアディロン、ブラジリアンのドレッドをふくめ、かなりの高級ギターも弾きました。



でも、それに負けないくらいインパクトのある音色ギターです。

フィンガーピッカーには一度弾いてみてもらいたいギターです。


それが今回ご紹介するギターです。こちら、、


ブリードラブのエドガーハード シグネーチャーモデルです。

ちなみにこれは1997年の個体です。


ブリードラブの最上位クラス マスタークラスのモデルです。

現在は中古のみの販売ですが、過去の新品税込み定価は6000ドルほど、
当時のレートで日本での定価は70万ほどでした。

ブリードラブギターの良さは、いままで何度もご紹介させていただきましたね。

ブリードラブの記事はこのブログのなかでも常にアクセス数が上位です。

「このブログの記事を見て ブリードラブを買いました」とご報告をくださった方も数名おられます。

嬉しいですね。

(パート1はこちら    パート2はこちら


鳴りが良い 設計が良い デザインが良いのはいう間でもありませんが、そのなかでもこのギターは別格に感じました。





トップはシトカスプルースです。

このグレードです。。






もっとすごいのはバックです。





バックはインディアンローズですが、、





インドローズで、これほどのグレードは、、。。


ここまで目が詰まったローズは なかなかご覧に鳴った事が無いのではないでしょうか。。


僕が今まで見た中でも最上位ですね。。昔のラリビーでしかこれほどのは見た事ありません。。

ぱっと見、柾目のハカランダに見えるほどのすごい目の詰まり方です。

この大きさのギターでこのグレードの材料は今ではほぼあり得ません。。








さて、

エドガーハードといえば グラミー賞を受賞したソロギタリストして有名ですね。


日本でも、かなり人気がありますね。

以前のおすすめの音楽の記事の最後のほうに エドガーハードの事は書きました。


その彼が長年使用しているモデルです。




1997年に誕生したモデルです。

実際、数々のブランドのいろんなギターがある中、2000年のアコースティックギターマガジン誌の
"Player's Choice Award"  

に輝いています。


プレイヤーが選ぶ最高のギターというわけです。。



フィンガーピッカーがギターに求める事いえば 太い深い低音、ベルのような高音、素早いレスポンス、音の芯と箱なりのバランス、リバーブ感などです。


でも全てを取り入れるのは難しいですよね。


たとえばドレッドなら低音はでますが、高音は引っ込みます。





ただこのギターの設計はかなり面白いんです。



まず低音ですが、

低音は私が過去無数に弾いたギターの中で 一番です。

(もちろん低音の出方には好みがありますね。タイトな低音や膨らむ低音など好みの世界です。でも音圧としてエネルギーとしてはこのギターが圧倒的でした。)

わき上がるような、まさにピアノの低音です。

完璧に調整されたマーチンのD28GEも一緒に試奏しましたが、それよりインパクトがありました。


でも、レスポンスが早く 音の芯もあります。

高音もまさにベルのような太く美しい高音です。



それはこのギターの設計が大きいとおもいます。


注目していただきたいのはサイドの厚みです。





ジャンボサイズですが、サイドがかなり薄いですね。

マーチンのOMよりも薄いくらいです。


これがぽいんとですね。。


ジャンボボディーですが、この薄さのおかげで音がすぐ跳ね返ります。



実際、現行のライナップのJ22 というギターも弾きました。

材料は同じです。(グレードは少し落ちますが。。)


違いはというと、、



サイズは同じですが、厚みが先ほどより厚いんです。。


弾きましたが、低音はエドモデルの方が圧倒的に良いです。

J22は音がもやっとして輪郭がぼやける感じです。

高音も引っ込んでしまっています。


エコーをかけすぎている状態ですね。



どちらも調整は完璧だったので、設計の差ですね。。



どちらかというと 低音を出すにはOMのような小振りなギターの厚みを増すというのが一般的ですね。


でもこのギターは逆転の発想で ボディー自体はジャンボで薄くして レスポンスと芯を出すという設計です。


この圧倒的な低音の音圧がありながら、このレスポンスと音の芯はすごいです。



しかも実際に抱えてみると分かるのですが この薄さのおかげで弾きやすさも抜群なんです。。

ドレッドよりはいう間でもありませんが、

フォルヒのGやラリビーのLより圧倒的にこのギターの方が弾きやすいですよ。。

ほんとにほんとです。


OMを抱えているみたいです。


実際女性や小学生の生徒さんでも楽に抱える事ができました。




このひょうたんのようなギターサイズは確かにマルチな設計ですね。

テイラーのGSや新岡さんのNギターもこれと同じ種族です。

低音と高音の両立です。


もちろんブリードラブのお得意のすばらしい設計も健在です。


おなじみのヘッドですね。



弦ができるだけストレートになるように設計されています。

ペグはグローバのゴールドですね。

マーチンやメイトンで採用されています。





ブリッジも



ブリードラブのお手製のこの形ですね。

サドルの高さがかなり出せていますが、これでも弦高は低く、すごく弾きやすいのです。


この弾きやすさで この音圧はヤバいですよ。。


このブリッジもデザインだけでなく、音響工学まで考えられたすばらしいものです。



マスタークラスなので装飾も美しいですね。




バインディングやロゼッタがコアです。


97年製なので、音も抜け 音量もすごいです。



でもその割にギター全体はかなり美品ですよね。。




これは、かなり高級ギターや手工品をオーダーした事ある生徒さんも ノックアウトされていました。。


市場では中古で40万弱程度でしょうか。

たまーに30万切る事がありますが、コンディションがかなり悪いものが多いですね。
(実際今ある店舗で30ジャストくらいでありましたが、コンディションはかなり良くなかったです。。調整だけで数万は覚悟ですね。)


このギターはまさに奇跡のコンディションで、ネックアングルも完璧です。

ナットサドルも調整済みです。








現在、マスタークラスは80万越えのモデルばっかりです。

このグレードの材料、マスタークラスの技術、この設計、見逃せませんね。


もしどこかで見かけたらぜひ試奏していただきたいです。


最近の新品のブリードラブは値段が上がっていますので、新品を買うよりもお値打ちだと思いますよ。


生音はこのDVDで聞けます。




Amazonではこの値段ですが、たしかこのDVDは再販で1500円で楽器店に並んでいたと思います。

ブリードラブとソモジの生音が聞けますが、聞き比べてブリードラブが良いと思う人もいるでしょう。




ちなみにこのDVDを初めて見たのは中学生のときで、それからずっと見ずに最近見直しましたが、改めて勉強になる事が多かったです。



ちなみに最近別のエドガーハードモデルもでました。

これも弾いた事があります。

ドレッドでトップがアディロン



サイドはサペリです。キルト入ですね。




これもすごいギターです。


エドモデルの設計はエド本人が提案しているのでしょうか??


そうだとしたら、かなり音作りのセンスがありますね。。


ドレッドでアディロンだとパンチと音圧はでますが、レスポンスがいまいちになります。

それでサイドバックを ローズ系ではなく軽いサペリにしてあります。


これもすばらしいバランスのギターでした。値段は80万ほどでした。


箱なりが少し強い感じですね。


個人的には昔のモデルの方が好きです。

低音は圧倒的で、しかも抱えやすいですね。











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