2016年12月22日木曜日

・「良いアコギのはなし」その24〜究極のフォルヒ 完全フルオーダメイドライン イデアルニ

現在フォルヒギターは、細かい材料やデザインのオーダーができます。

予算や好みに応じた気軽なセミオーダーとして人気がありますよね。

このページでもそのようなカスタムモデルを何本かご紹介いたしました。

(パート1は こちらから   パート2は こちらから )



一般的にはこのオーダーで十分ですよね。



でも もし 一生もの一本となるとどうでしょうか?



「もしできるなら実際に使用する木目を見てオーダしたい」
「カタログには無いもっとレアな材料でオーダしたい」
「細かい装飾ももっと自分好みにしたい」

という完全フルオーダーが良いですよね。


もう5.6年前になりますが、横山ギターズの横山さんの工房に2回ほど個人的にお邪魔した事があります。

細かい材料のストックやデザインのバリエーションを見せていただきました。



制作家と話しながら 実際の材料やデザインを見るのは ギター好きとしてはたまらない喜びですよね。




さて そんな完全フルオーダーが フォルヒでも可能になりました。

(完全フルオーダーって、白い白馬みたいに形容が二重になってしまっていますね。)




フルオーダーのラインには別名がついています。

イデアルニです。



すでに普通のフォルヒじゃないオーラがあります。。

このギターの詳しい紹介は最後のほうにでてきます。


まだネットにもでていないと思いますが、夏頃から始動しています。フォルヒの輸入担当の瀧本さんがたまたまスタエムに来た時に話しを伺いました。



販売店には すでにこんなフライヤーが回っています。



少し見にくいですが、写真にあるとおり、使用する材料はカタログに無いものも沢山あります。

ロゼッタやバインディング インレイも自由自在です。




カタログに載せようとすると 材料もある程度の量を確保しなければなりません。

そうなるとある程度流通する、もしくはある程度売れる材料で作らなければなりません。


でも、1セット分とかなら、材料が入る事もあるそうなんです。



デザインも同じですね。量産モデルは、ある程度万人受けするものにしますが、完全個人フルオーダーなら その辺も自由自在です。

それをイデアルニ専用のディスカッションルームで、瀧本さんとフォルヒの本国とネットで繋ぎ、実際の材料の映像を見ながら細かくオーダできるそうです。








写真が見にくいので、上の写真の説明を写してみましょう。


「二度と手に入らない、至高の素材でギターを作りたい。
自分のギターに使われる材料を自分の目で選びたい。
自分のギターのデザインを自分で決める事ができたら、どんなに楽しいだろうか。
あなたの気持ちは、よく分かります。なぜなら私もそうですから。

その時々に運良く入手できた超希少材やマスターグレードマテリアルから、好みの材を自ら選び、60を超えるイデアルニ専用オプションの数百通りの組み合わせの中から自分の1本をデザインする。

量産メーカーを超越する FURCH IDEALNI 」


だそうです。

「私」とはだれでしょうか?笑





ちなみにイデアルニとは 「理想」という意味だそうです。

(何語か瀧本さんに聞いたのですが、忘れてしまいました。。)



さて、こんなレアなギターですが、2本実際に見る事ができましたのでご紹介いたしましょう。


一本目は G23 ENCT    IDEALNI   です。




すでに、普通のフォルヒぽくないですね。


トップはE ですので、 イングルマンスプルースです。



イデアルニはすべて マスタグレード です。

元々材料には定評があるフォルヒですが、その中でも厳選との事です。

便宜上 23シリーズになっていますが、実際は25よりも上という事です。


さて サイドバックのNですが、この木はなんでしょうか。。






かっこいい。。


今までに見た事無い木ですね。

これはマンゴーだそうです。


MANGO ですが Mはすでにマホガニーの頭文字ですので MANGO のNだそうです。

フォルヒも材料が増えて だいぶ頭文字がなくなってきましたね。

MANGO も M はマホガニー A はアディロン  G はマダガスカル O はオバンコールにすでに使われているので 残り物のNです。





実際の音ですが、これも本当に今まで弾いた事の無い音でした。


ただ系統としてはローズのような重い材ではなく、またメイプルのような堅い木でもありません。

これ以上ないくらい やわらかい 優しい音色でした。

右手のタッチがソフトな人にはすごくあうと思います。


ジャズバラードをソフトに弾く感じがいいと思います。


デザインはどうでしょうか??


ロゼッタはシンプルなウッドのワンリングです。





縁取りは、多分パドックですね。






インレイもレギュラーには無いものです。




そして分かりにくいのですが、個人的にイデアルニの良いところはペグです。





イデアルニは標準でGOTOH の510 がついています。


しかもギヤ比が21:1の最高峰モデルです。

このチューニングの安定感、スムーズさはすばらしいですね。

一緒に試奏した生徒さんもフォルヒを持っていますが、このペグのスムーズさをみて、自分のフォルヒもゴトーにするそうです。




ちなみにイデアルニが、レギュラーのフォルヒと違う点がもう一カ所あります。

それはケースです。



白です。  普通は黒ですが、差別化で白の純正ケースなんですね。


他とは違う特別という事でしょう。






さて、次の一本を見てみましょう。

FURCH G23 DG CT IDEALNI です。



これは! 先ほどより更にプレミア感がありますね。。

細かく見てみましょう。


トップ材の頭文字の D は何でしょうか??



一見 シダーにも見えますが、シダーよりも赤みがかかっています。


これは シンカーレッドウッドです。

REDWOOD の D  ですね。



レッドウッドは以前のブリードラブの記事で少し書きました。

こちらの記事の中程にあります。)


樹齢が長いのが特徴ですね。海外の高級手工ギターにも使われています。



サイドバックはG です。マダガスカルですね。


これも間違いの無い材料の一つです。

オーダーの段階で実物の写真を見れるのはいいですね。


ちなみにマダガスカルは、予想されたとおりますます手に入りにくくなっています。


実際、現在オーダーされた方はかなり納期が延期しているそうですね。


いろんなところで「手に入るうちに」といわれていましたが、宣伝文句ではなく、本当に手に入らなくなってきました。。


価格も更に高騰します。
最初にでたときはプラス7万でしたが、9万にあがり、今では15万です。

これでも 他のメーカーに比べたら安い方ですが。


マダガスカルの音に魅力がありますので、7万で手にできた人はラッキーでした。



そんなマダガスカルをこのギターはなんと贅沢にもヘッドの化粧板に使用しています。

これも フルオーダーならではですね。




そして、ペグはやはりゴトー510です。塗装がXゴールドという高級感のある塗装にエボニーボタンです。




ネックはマホガニーですが、よく見るとキルトが入っています!


ただでさえ 貴重なキルトマホガニーですが、なんとネックに使うとは贅沢ですね。


一生ものにふさわしいですね。




ロゼッタはシンプルなリングです。




音ですが、レッドウッドはシダーに近いですが、それよりも更に 余韻がすごいです。


軽く弾くだけで すごいサスティーンがのびます。


これも バラードを弾くには最高のギターですね。。


このギターはホーボーズさんがショップオーダされたもので、現在店頭に並んでいると思います。

ぜひ試していただきたいですね。




フォルヒは世界にかなりの代理店が存在しており、現在年間4千台を超えるメーカーに成長しました。


そんな中、すでにフォルヒの本国のライナップになっている、マダガスカルやアディロンなどの材料の仕様、エリートのデザインの発案はスタエムの提案をもとにフォルヒが作りレギュラー化されたものです。


ちなみに 現在のフォルヒのサドルは 新岡さんの提案ですね。



今回のイデアルニも 日本にとどまらないのかもしれませんね。


いずれにしろ、全て自分好みのギターを作るというのはギター好きに取ってはたまらない幸せですね。

(追記   このブログを見てフォルヒをオーダしました! という嬉しいお声をたくさんいただきます。

うれしいですね。 もしこれからスタジオエムでオーダされるときはぜひ このページを見たとお伝えくだされば嬉しいです。)





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