2022年6月14日火曜日

・「良いアコギの話」〜その62 2022フォルヒ最新カスタム Furch RAINBOW Gc-EZ ジリコテモデル

 今回はフォルヒギターのオーダー到着レポートをお届けいたします。

そして今回は私のレポートではなく、オーダーしてくださった方ご本人が詳細なレポートをしてくださいました。


昨年の夏にも同様の記事をお届けいたしました。素晴らしいレビューを投稿してくださったオーナー様の渾身のレポートでした。

フォルヒの極上カスタムレポートの記事はこちらをクリック

なんと私が書いたほとんどの記事よりも閲覧数が多いのです。笑

私の拙い文章よりも、オーダーされた方の生の声ということで、反響が大きかったように思います。(私の文章力のなさもあるとおもいます。。)


今回は、昨年の秋口にオーダーのご相談にお越しくださったUさんのカスタムモデルです。


Furch RAINBOW  Gc-EZ インゲルマンスプルース ジリコテ です。



すでに既製品のフォルヒではないオーラーがありますね。。

コロナ渦でフォルヒを始め、大手メーカーもかなりの入荷遅れとなっていました。航空便の減少、現地のコロナによる生産力の低下、また世界的な巣篭もりによるギター需要の増加が要因のようです。

今回は昨年9月ごろにオーダーいただき6月のお渡しでしたので、9ヶ月ほどの納期となりました。本当にお待たせいたしました。。少しずつですが納期も早くなっていく兆しがあります。



今回はスタジオM店頭でのお渡しになりました。

私は立ち会えなかったので、ご満足いただけたか少し心配でした。

でもすぐにたくさんのお写真と共に手に取った感動が伝わる感想をお送りいただき、私も大変嬉しくなりました。

その一部をアップしても大丈夫ですとの許可をいただきましたので、写真と共にお送りいたします。

オーダーしたギターが届いた興奮冷めやらぬ熱いレポートですが、ギターを購入もしくはオーダーしたことのある方ならきっとお分かりいただけると思います。

ではUさんの到着後のレポートをお送りいたします。


岐阜県 U さんより

まず、今回オーダーから納入まで色々とお世話になり本当にありがとうございました!

いつも丁寧に対応してくださって、本当に良い買い物ができたと思っています。

じっくりと待機していたぶん、自分のものになった喜びもひとしおです。

また、スタジオエムの店長さんにも気さくに迎えて頂けました。またよろしくお伝えください。


当初は費用を抑えた案も考えていましたが、一生に一度のフルオーダーということで我慢せず好きなようにカスタムして正解でした。

すでに愛着が湧いていますし、一生かけて楽しんでいけるのでそれだけの価値のある投資だと感じます。



◆サウンド



私自身の感想としては、響きがものすごく気持ち良いです…!


新品でまだギター自体が本領発揮していないと思うんですが、それでもずっと使っていたYAMAHAのLL6以上によく響く感じがします。

LL6に比べてリバーブ感が強くて、音が揺らぐような感じがするからかも知れません。


ジリコテの特性も出ているのか、なんとも言えない不思議な響きです。

これが絶妙に気持ち良いんです。。


音量に関しては、抱えたときにひとまわり小さく感じる上にカッタウェイ付きで箱の容積は下がったはずですが、思った以上に出ます。

低音も高音も今までよりもよく響くように感じて、驚いています。

とりわけ、ハーモニクスを鳴らしたときにすごい音量が出てビックリしました。(動画ではミスっていて十分には鳴ってませんが…)

低音弦は、明らかに今まで感じなかったような「お腹の中まで振動する」感覚があります。

今までが合板のバックだったので、その差もあるのかなと思っています。


インゲルマンスプルースは高音がよく鳴りつつ低音もそこそこ力強いというのは、本当だったんですね。

重厚感・深みが出るというジリコテとの組み合わせもなかなか良いバランスだったかと嬉しくなりました。


音色については、インゲルマンはウワサ通り柔らかめな音がします。良い音ですね。

ただ、ストロークやソロを弾いたときのレスポンスが「悪い」かというと全然そんなことはなく、これはこれで気持ち良く弾けます。

私の腕が未熟で鈍感なだけかも知れませんが、、色んな弾き方に対応してくれそうです。


もともとフォルヒ自体音質が硬めとのことなので、木材の特性でよりオールラウンドに近づいてくれたんでしょうか。


これから弾き続けていって音がどう変わっていくか、とてもとても楽しみです!



◆デザイン


お店で開封して、第一声が「おぉ~~」でした。

先に写真を送ってもらったときと同じですね。笑


(写真はクリックしていただくと、高解像度になります)




仕上がりがキレイすぎて言葉を忘れて見入ってしまいました。

透き通るような白いインゲルマンスプルースにウォルナット&アバロンのロゼッタが美しいです。

やっぱりギターの顔という感じで、最初はここに目が行くものですね。



トップのインゲルマンスプルースの白色は、こちらのほうが実物に近いですね。本当にキレイです。

LL6のトップ材が割と濃いめの色合いだったので、目新しさがありますね。




そして、今回デザインに関してダントツで目を引いたのはジリコテです。。


この木目…すごすぎです笑

どんな木目で来るかなーとワクワクしていましたが、想像を遥かに超えてきました。

ダイナミックな濃淡と模様で、まさに自然の芸術という感じですね。(もちろん職人さんのお陰でもありますが)

ずっと見ていられますし、これを肴に呑めるレベルです笑


トップのインゲルマンとのコントラストも良い感じです。



サイドのジリコテもなかなか迫力があります。

バインディングやボトムセンターのコアも高級感があって、見ていて気持ちが良いです。














YAMAHAのLL6はバインディングが全て白いプラスチックで、そこだけはちょっとチープさが否めませんでした笑

(今となっては経年で黄色っぽく変色してしまっています泣)

価格帯が全く違うので比較すべきではないと思いますが、フォルヒに関してはデザインの面で細部まで一切抜け目がありません。。

どこを取っても文句ナシです。



ヘッドの化粧板はフィギュアドエボニーで、これもオシャレな模様をしていて大満足です。

真っ黒のエボニーの高級感も捨てがたかったですが、「ふつうのフォルヒじゃない感」があってこちらにして良かったです。






指板もフィギュアドエボニーに統一して、インレイはクラシックですね。

良い雰囲気が出てるなと思っています。

クラシックだと3フレットにはポジションマークが入りませんが、弾いてみて特に気になりませんでした。








ゴトーのペグは"Cosmo Black"を選択しました。

今まで使っていたYAMAHAがゴールドのペグだったので、違った感じにしたかったのです。

「真っ黒」をイメージしていましたが、実際はBlackといっても「濃いグレー」で、ガンメタっぽい感じですね。

さりげなくオシャレな感じは狙いどおりだったので、これはこれで満足です。

初めてゴトーペグを使いましたが、本当にスムーズですね。チューニングがしやすいです。






どれもフォルヒの画像を漁っても実際に使われたサンプルがなかなか見当たらなかったオプション達なので、特別感があります。

今後オーダーされる方に向けての参考資料としてご活用ください笑



ロゼッタのブラックウォルナットは、見る角度や距離によってこげ茶色に見えたり薄い茶色に見えたりして不思議です。

渋くて良い色だなと思いました。(フォルヒのHPに載っているイメージよりも少し落ち着いた色合いです)




ブリッジは指板とセットなのでフィギュアドエボニーで、ヘッドと統一してあります。




最後に、長い間使ったYAMAHAと並べて記念撮影しておきました笑





雰囲気が全く違いますね。


改めて両方手に取って気づきましたが、フォルヒの重量がめちゃくちゃ軽いです。。

YAMAHAのほうが一回り大きいしエレアコなので当然といば当然ですが、少し驚きました。

軽い=良いかどうかはよく分かっていませんが、楽に抱えられて長時間弾いていても疲れにくそうな感じはあります。


LL6も5~6万円くらいの価格ながら凄く良いギターでしたし、いろんな思い出も詰まっています。

こちらはトップは単板ですがサイド&バックは合板なので、今回オール単板かつグレードの高い木材の高級ギターに持ちかえることができて気分最高です!

たくさん弾いてその良さを堪能しつつ、また思い出もたくさん作っていきたいなと思っています。


またギターの調整や気になることなど何かあれば、ご相談させてください。

本当にありがとうございました!またよろしくお願いします。



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Uさん詳細レポートありがとうございました!

ギターの購入した時の、興奮が伝わってまいりました。


私もギターを購入した時には、弾かない時にもケースを開けて眺めてニヤニヤするものです。子供と同じで、我が子が一番という気持ちになるものです。

スペックや材も大事ですが、どんなギターでも自分のギターという愛着が湧くと長く大切に使用できますね。




今回のギターお送りいただいた動画にてですが、私もギターのサウンドを聴かせていただきました。


ジリコテのサウンドはやはりかなりユニークです。ローズ系の重厚さはありますが、ブラックエボニーやココボロのような重さではありません。


重厚というよりは音の密度が高く感じます。表現が合っているかわかりませんが、スッキリというよりはねっとりとした音でしょうか笑。でもレスポンスの遅さはそんなに感じません。



スタイル的にはソロギターのように1音1音を丁寧に紡いでいくスタイルに合っていると思います。音数が少なくても、音に存在感があり太く出る印象です。


そしてやはりトップのインゲルマンはフォルヒの設計にとても合うと改めて思いました。


ヨーロピアンなサウンド設計にボルトジョイントですので、シトカスプルースだと特にプレーン弦が硬質でさっぱり感じてしまうかもしれません。


高音側が豊かに響く、しなやかなインゲルマンスプルースが、フォルヒの音に艶を出していると思います。


オーダーのギターは世界で一本と同時に、ワインのように熟成していく楽しみがありますね。


おおよそ2〜3ヶ月でトップが落ちつき、音量もグッと増す印象です。シビアな弦高調整はその頃にするのがおすすめです。



すでにマーチンやギブソン、テイラーなどアメリカンギターをお持ちの方であれば、ヨーロピアンなフォルヒのオーダーもおすすめです。



過去のブログでもフォルヒのオーダーレポートはたくさんあります。よければ、見返してみてくださいね!




今回は久しぶりに1週間待たずして新しい記事をアップできました。これもUさんのおかげです笑


引き続きマイペースにですが、必ず更新し続けたいと思っています。

忘れた頃に時々覗いてくだされば幸いです。