(追記:約一年後の2017年7月 にもライブが行われました。
これが本当に凄かったのです。。
記事の後半に追加で更新しています。
まずは以前の記事をご覧くださいませ。)
現在13歳になったばかりです。(2016 年 4月時点)
何はともあれ、よければまず演奏を見ていただけるでしょうか??
オフィシャルビデオの映像ですが、、
すごいですね。。
ANTOINE DUFOUR のカバー曲です。
さらっと弾いていますが、これはかなりの難曲ですよ。
カバーしてる動画はありますが、ここまでの完成度のコピーはなかなかできません。。
単なる奏法、テクニックだけのカバーではなく音楽的なカバーです。右手のグルーブがあるんですね。。
しかもしかも、、このレベルの演奏を小学生の頃からしていたというから驚きです。。
数年前から 関西に「天才ギター少年」がいる、と話題になっていました。実は私も名前だけは聞いていました。
初めて見たのは去年のサウンドメッセのフォルヒのブースです。
この写真にケント君は写っていませんが、このあとケント君が来てフォルヒを試奏していました。
今まではグレッグベネットというアジア製のギター(最初の動画のギター)でしたが、さすがに彼の腕では もっと良いギターが欲しくなるものですよね。。
フォルヒサイドからはなにも営業はしてなかったようですが、なんとケント君側から「フォルヒが良い」と名指しで ご指名があったのでした。
(ケント君の好きなANTOINE DUFOUR や CALUM GRAHAM がフォルヒを使っている影響もあるのかもしれませんね。。)
それでフォルヒとエンドース契約をしたのでした。
ちなみにケント君のフォルヒはこれです。
以前のブログにも登場した G23 ERCT エリートです。
生徒のUさんと全く同じモデルです。
(このギターに関しては以前の記事で詳しく書いています。こちらをクリック)
今回、ケント君がフォルヒを使用する事を受けて、3月27日スタジオエムでソロライブがありました。
ケント君はちょうど、春休みなんですね。
じつは このライブで 社長からオープニングアクトを頼まれました。
「天才ギター少年」によいバトンを渡すべく「凡人ギターお兄さん」が一肌脱ぎました。
(。。当日のMCでもいったんですが、ややうけでしたですね。。)
ライブ開始より二時間くらい前にスタジオエムにいきました。
すでに会場はセッティング済みです。
到着すると ケント君 そして ケント君のお父さん、 そしてプー横丁の松岡さんがすでにおられました。ケント君はプー横丁のレーベルからすでに12歳の時にファーストアルバムを出しています。
僕も聞かせていただきましたが、すごいですよ。。
12歳という事を抜きにしてもすごい演奏です。。
余談ですが、プー横丁さんはそれこそ自分が中学生の頃からよくお世話になりました。
少ないお小遣いの中で、CDや楽譜を買ったのもよい想い出です。。
あの当時はCDや楽譜が届くまでの1日2日が待ちきれないほど楽しみなものでした。
松岡さんともいろいろお話しできてよかったです。ケント君のレコーディングの裏話等もお聞きできて興味深かったですね。
(プー横丁のホームページはこちらです)
さて、その後ケント君、そしてお父様とも挨拶しました。
まず、驚いたのはケント君の礼儀正しさです。。
中学生とは思えないくらいほんとうにしっかりされています。
こんなにうまいのに、、すごく謙虚です。。
天狗になっても当然の実力と年齢ですが、、すばらしいですね。
ライブ前にお父様とも たくさん話す事ができました。
ほんとうに良い方で、ケント君の謙虚さは親御さんがしっかりされてるからなんだなって感動いたしました。
息子さんの経歴や実力からいったら いわゆる「親ばか」になっても全く問題ないとも思いますが、けっしてそういうわけではなく、ほんとうに謙虚な方で、でも息子さんの才能を伸ばしてあげたくて、休みの日にしっかりサポートされてるご様子でした。
すばらしい。。
西村親子の謙虚さ、、
見習わないと行けないですね笑
さて、挨拶をすませ、早速ケント君がリハーサルにはいります。
リハの様子です。
先ほどの G23 ERCT エリートです。
やはりエリートはステージ映えがしますね。かっこいいです。
(このリハーサルの模様はスタジオエムの社長がPR用に動画を撮っていましたので、近日スタエムのHP で公開されると思います。 )
演奏やリズム感は言うまでもないですが、、おどろいたのはケント君の耳の良さです。
写真を見ていただいて分かるとおり、チューナがついていません。(ヘッドについてるのはカポです)
もちろん 足下にペダル式のチューナもありません。
いわゆる「絶対音感」というやつです。。
しかも驚くのはその正確さです。
自分の耳だけで、弦を緩めた状態からチューニングしていきますが、チューナでセンターをさすほど完全にぴったりと音を合わせます。
あとでお父様にきいたら、チューナーをつけるよりも早いそうです。。
低学年の頃から蝉の声の音程も分かったみたいですよ。。
ケント君のコピーする曲はほとんど曲によってチューニングが違いますので、曲ごとにチューニングを変えます。
それを全部チューナ無しで変えるのです。すごい(&うらやましい)
さて、圧巻のリハを終え、あとは会場を待つばかりのステージです。
映っているのは 僕が使うブリードラブのOMです。
ライブ前にケント君に話したら「とても緊張します」と言っていました。
そりゃそうですよね。。。
中学生がお金を払ってくる大人の前で、2時間近く一人でギターを弾くわけです。
いわゆる音楽発表会とは別物ですよね。1,2曲生徒として人前で弾くだけでも中学生なら緊張すると思いますが、
プロとしてお金をもらって、 しかも2時間、、しかも一人で、、
末恐ろしい13歳です。。
ライブ前にお父さんと話したら「ケントは緊張しても 本番に強いんです」と言っておられました。すでに タレント性がありますね。
今回最終的にお客さんは30人ほどでした。僕の生徒さんも何人か見に来てくださいました。 ライブホールはけっこういっぱいになりましたよ。
ライブは4時スタートです。オープンニングで、僕は3曲弾かせていただきました。
今回は3曲ともゆったりとしたバラードでした。
アップテンポの難曲でミスしたら、生徒さんの手前恥ずかしいですからね。。
危ない橋は渡らない、、という大人のやらしさ全開です。
社長が動画を撮ってくださったので1曲だけアップしました。
危ない橋は渡らなかったので 演奏はそんなに大きくころびはしません。
昔見たいに、がつがつしてないので、リラックスして楽しめました。
さて、「凡人ギターお兄さん」が3曲弾いたあと いよいよ「天才ギター少年」西村ケント君が登場します。
いきなりアンディーマッキーのカバーからでした。
2曲目のチューニング中に4弦が切れるというハプニングもありましたが、1回は楽器店兼 工房です。 スタエムの社長が即座に動いてあっという間に張り替えられました。
アンディーマッキーやドンロス デュフール等 CANDY RAT のギタリストのカバー中心でした。
どれも 抜群の安定感でしたね。ほんとうに本番に強いです。
ライブ本番で驚いたのは曲目の多様さです。
さきほどのファーストアルバムの曲が中心になるのかと思いきや、 CDの曲は半分もなかったくらいだったでしょうか。
どんどん新しい曲をマスターしていきます。
ライブ後に「コピーにどれくらいかかりますか?」と聞いたら
「一曲コピーするのは1週間くらいです」と言っていました。
どれも難曲ですからね。。あの完成度のコピーを1週間でできたらたいしたものです。。
いわゆる「叩き系」だけでなくオーソドックスな弾き方でもすごく上手でした。
オリジナルも1曲ありましたが よかったです。
フォルヒの音も良かったですね。
ソロギターの世界では、おそらく技術的には同年代では世界でも相当な上位にはいるでしょう。まさに これからの日本を担うギタリストです。
ライブ後生徒さんも かんどうしていましたよ。良い刺激になったと思います。
ライブのあと 丁寧にサインをしている姿も印象的でした。
サイン会も終わりかけた頃 松岡さんが呼びにきてくださり「ケント君と写真一緒に撮ったらどうですか」と誘ってくださいました。
私の身長は172ですが こうして見るとまだ中学生なのがわかりますよね。
だいぶお客さんもかえられて、あとは 片付けをして帰るだけでしたが、せっかくの機会なので セッションさせてもらいました。
「せっしょんしない?」ってきいたら「喜んでさせていただきます」とのお返事でした。
すばらしい謙虚さですね。笑 こちらこそ喜んでさせていただきます。
1回に展示してあるフォルヒを1本ずつえらびます。
ケント君は G23 ARCT(アディロン インドローズ) を選びました。
最新号(2016年1月)のアコーステックギターマガジンの試奏コーナーにでているモデルです。
僕は G23CGCT (シダーマダガスカル)を選びました。
ケント君の得意とする叩き系の曲に合わせるのは 難しいのですが、
ケント君がちょうどこの日のライブでドンロスの バークレーズ スプリングス と言う比較的オーソドックスなソロギター曲を弾いていました。
実は以前生徒のS君もカバーしていてそれに合わせた事があったので、これならできるかなと思いやってみました。
合わせやすいように「半音下げでチューニングできますか?」ときいたら、チューナ無しでだるだるの弦の状態から瞬く間に合わせていきます。
チューナで合わせた僕のギターと くらべたら やはりぴったりでした。。すごい(&うらやましい)
急遽録音したので冒頭が少し切れていますが その場の雰囲気が伝わるでしょうか。
すばらしい演奏ですね。。
。。もちろんケント君のほうです。
私は コードをかぶせただけにすぎません。
でも相手がうまいととても気持ちいいですね。。
天才の演奏を邪魔しないようにだけ心がけたのでした。
フォルヒの生音も良いですね。耳の良い方はスプルースとシダーの違いが分かるでしょうか??
終わったあと「ありがとうございました。とても楽しかったです!」といってくれました。
すばらしい演奏を邪魔しただけのセッションでしたが、、。
どこまでも すばらしい よくできた少年です。
先ほども書きましたが 本当にソロギターの技術的には申し分ないですよね。。
いまは 音楽理論を含めジャズの先生についているそうです。
すでに作曲もはじめているケント君ですが、これからさらに独自の音楽性をふかめて一回りも二回りも大きくなるんでしょうね。
よのなかに 演奏がうまいだけの人はたくさんいますが、それだけでは人の心に響かない事が多いように思います。。若い頃から注目されてもいまいち大成しなかったギタリストもいます。
でも、ケント君の謙虚さや音楽に対するひたむきさをみれば、そんな心配は無用なきがしました。
将来はほんとうに有望ですね。5年後10年後が楽しみです。
もしかれが世界的にも有名なギタリストになったら、その時はセッションした事があるって自慢したいと思います。。
。。謙虚さがないですね。
またらいぶがじつげんしたらよいですね。
追記 2017年7月22日のライブレポート
初めてのライブから、約一年半後の2017年7月に再びライブがありました。
なんといっても今年はケントくんがフィンガーピッキングディで最優秀賞(つまり優勝)したのです。。
着実に階段を上がっています。
もちろん入賞もすごいのですが、、
私的にはそれよりも、最新のアルバムに度肝を抜かれました。。
2というカバーアルバムを出したのですが、、

このアルバムがちょっとすごすぎるんですね。。
これはお世辞でも、媚売りでももちろんなく、、
ケントくんは本当にすごいことになって来ました。。
月並みですが天才です。
アレンジということは、技術だけでなく、センスが問われますね。
それが、、ちょっとアレンジがすごすぎるんですね。。月並みですが天才です。
年齢を全く無視しても、個人的にはソロギターでのアレンジセンスはワールドクラスだと思います。
細かくいうときりがないですが、、チューニングの選択から、音選び、リズムの再現、、
テックニック、オクターブの使い方等々。。
しかもあるアレンジなんかは30分でできたとか。。
もちろん世界には素晴らしいアレンジをする人がたくさんいますね。
スティーブンキングやローレンスジューバーのアレンジもかなりいいです。
月並みですが、トミーエマニュエルのアレンジもいいですね。
有名どころだと押尾さんのカノン や ボレロのアコギアレンジは素晴らしいものでした。
でも、ケントくんは年齢を抜きにして、、そのレベルだと本気で思いました。。
ちなみに、、
今回のケントくんのアルバムは70代ロックです。
その選曲もすごいのですが、バンドがありしかもボーカルがある曲をどうやって6本の弦に起こすのでしょうか。。
かなりノリの良い曲もあります。そうなるとベースライン メロディー リズムやグルーブをどうやってアレンジするのでしょうか。。
それが、、
CD全体を通して、、
原曲のニュアンス、ノリやグルーブの再現、曲の表現の再現、、ちょっとすごすぎるのです。
曲中で転調する曲も結構あるのですが、すんなり弾きこなします。
チューニングの選択もすごいです。
曲中で転調する曲も結構あるのですが、すんなり弾きこなします。
実際に引いてるのを見て気づいたのですが、例えばアースウィンドファイヤーの曲は前半はキーがEですが、あえてドロップDでアレンジしています。
これはさらっとやりますが、E の曲をドロップDでやるのは弾くときにかなり違和感が出ます。
録音を聞くとわかりますが、そんなことも感じさせない美しすぎるアレンジです。。
何気にしているタッピングをしながらのビブラートとか、細かいところで今までに磨かれたテクニックがしっかりと土台として支えています。
もちろん選曲もすごいです。中学生の選曲ではないですね。
特に2曲目のカーペンターズのカバー
6曲めのアースウィンドファイヤーのカバー、
そして9曲めのビージーズが大好きです。
本気でコピーしたいくらい。
音楽好きなら一度は聞いたことある曲も結構あるのでいいですよ。
このアルバムは正直、、すべてのアコギファンに聞いてほしいそれくらい大大推薦版です。
こんなにハマったソロギターアルバムは久しぶりなのです。。
もちろん誰にも何にも頼まれていません。。
さて、そのアルバム発売後のツアーでしたので、本当に楽しみにしていたのでした。
到着すると、リハ中でした。
今回はケントくんと松岡さんのお二人で来られました。

だいぶ体も大きくなりました。
ケントくんのフォルヒもたくさんのステージを経て、程よく色焼けして来ましたね。

機材ですが以前と違ってオクターバーが増えていました。

私も使っていますが、オクターバの太さに気づくと抜け出せなくなります。
生音で遊びながら弾いてるのを聞くと、本当に上手いのがよくわかりますね。。
アレンジ中のジョージベンソンの曲もやっていました。

どのアレンジも素晴らしいのですが、このアルバムではビージーズのHow Deep is Your Love が大好きです。
セットリストに入ってなかったので、本番前の楽屋で弾いてもらいました。

ジェフリーヤンのオールマンゴーのギターですが、やわらくてとても美しい音でした。
DADGAD のアレンジですが、ニュアンスの再現がすごいです。
さてそうこうしているうちにお客さんも集まり始めました。
前回に比べてだいぶ落ち着いていましたね。ライブの経験値が着実に積み重なっているのですね。。
さていよいよ
本番が始まります。
松岡さんがまずケントくんの紹介をされました。

熱く語られます笑
ちなみに本番では、急遽PA をすることになりました。
プロのPAは久しぶりなので、緊張しました。良い音ももちろんですが、音が出なくなるなんてことがあったら、大問題です。。

終わった後、音が良かったといろんな方に褒めていただいて嬉しかったです。
演奏ですが、、来られた方、、みなさん大感動しておられましたね。
CDにはない最新のアレンジも披露してくれました。僕の大好きなジョージベンソンの曲も弾いてくれました。
たくさんの方がCDを買っていましたね。
一人づつに丁寧にご挨拶していました。謙虚さ健在ですね。。
ライブの片付けが終わった後、ケントくんのフォルヒを少し調整することになりました。
作業の待ち時間にせっかくですので、生音でも弾いてもらいました。

ラインの音の魅力もありますが、生演奏の力はやはりすごいですね。。
メイプルのフォルヒにはまっているようでした。。
さて、今回は私と松岡さんとケントくんの三人で打ち上げも行かせていただきました。
岩倉駅の前にある焼肉屋に行きました。
とにかくギターと音楽の話で盛り上がります。
驚くのはケントくんの音楽の情報量ですね。
ギター好き 音楽好きと話すのは大好きですが、私もまだ28ですので、いつもは年上の方が多いです。
一回り以上年下のこと ギターの深い話をしているのは とても変な感じでしたが、本当に楽しかったです。

松岡さんには、海外ギタリストの裏話をたくさん聞けました。
雑誌にも載っていないような貴重な話が盛りだくさんでした。40年以上業界におられるので、まさに生き字引です。(といったら、今は生き地獄だといっておられました)
せっかくなので味噌カツを頼みましたが、、

ケントくんには辛すぎたようでした。
翌日もあるのに遅くまでお付き合いいただいてありがとうございました。
彼のセカンドアルバムは本当に世界を感じました。
そして最後に入っているオリジナル曲も素晴らしいのですね。。
彼の新しいアレンジも聞きたいし、オリジナル曲ももっと聞きたいです。。
そして、楽譜が欲しい。。要望が多ければ実現するでしょうか。。
(このページに対するご感想やアコースティックギターそのものやアコギ音楽等についてのご質問、ご相談等有れば こちらまで
忙しいと返信に時間がかかってしまいますが、誠実なご質問にたいしては私に分かる範囲の事であれば喜んでお答えいたします。
また、愛知県尾張地域周辺の方で ギターレッスンにご興味が有る方のレッスンも随時受け付けております。
私個人のレッスンは こちらのページ
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をご参照ください。)
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