2016年4月20日水曜日

・「良いアコギのはなし」その14 Furch フォルヒのカスタムモデルたち〜Part 2

フォルヒギターでは セミオーダーで 様々な材料 & デザインのギターを作る事ができます。

フォルヒのカスタムモデル達 part1 でも 様々なギターをご紹介いたしました。
こちらをクリック)



最近は個人でオーダーされる方に加え ドルフィンギターズやホーボーズ、クエストミュージックなど有名アコギショップがショップオーダーという形でオーダーされて 完成品のカスタムモデルが実際に店頭に並ぶ事もあるみたいですね。




そのカスタムモデルですが 去年、材料や装飾のバリエーションがさらに増えました。

しかもボディーサイズもいろいろありますから、それらを組み合わせると 実際にはカスタムモデルのバリエーションはかなり増えました。



選択肢が増えるのは楽しい事ですが、より迷いますよね。。



かなりの数の(優に100以上)の組み合わせがあります。

その中から、デザインも音色も自分好みにしたいものです。




今回 フォルヒのカスタムモデル part2 と題して 特におすすめのカスタムモデルをさらに幾つかご紹介いたしましょう。

(追記   このブログを見てフォルヒをオーダしました! という嬉しいお声をたくさんいただきます。

うれしいですね。 もしこれからスタジオエムでオーダされるときはぜひ このページを見たとお伝えくだされば嬉しいです。)

1本目はこれです。

G23 EGCT です。

(モバイルの方はクリックするとより高解像度になります)



E は イングルマンスプルース
Gは マダガスカルローズウッドです。

カスタムモデルは やはりぱっと見の、オーラがありますね。
すでに見た目だけでいい音がしそうです笑



サイドバックのマダガスカルローズウッドは 特に一本一本の木目が大きく変わります。

このギターはどうでしょうか?


まずサイドを見てみましょう。





これは! なかなかワイルドで良い木目です。

海外の超高級ギターみたいなすごい木目です。



カッタウェイ部分は 特に木目がかっこ良く見えますね。



逆のサイドも見てみましょう。



こちらも良いですね。

オーダーでどんな木目がくるか楽しみに待つのも良いですね。




バックも見てみましょう。





バックも良いですね!

ハカランダのようなすばらしい木目です。


マーチン社は ハカランダのギターも作りますが、ハカランダが希少な今、代替材としてマダガスカルローズを良く用いますね。



でも、見た目があまりにもそっくりで分からないので、マーチンの木材倉庫では、混ざらないように特に注意しているという記事を読んだ事があります。


ちなみに 音響特性もハカランダに最も近いと言われていますね。





さて、フォルヒマニアの方なら気づかれたかもしれませんが、このギターは一カ所だけ改造してあります。

それはペグです。


フォルヒは普通ドイツのシャーラーというメーカの純正ペグがついています。


ノーマルの23だとこんなヘッドです。




シャーラーのべっ甲ボタンです。これも悪くないですね。

これが エリート(ERITE)という純正の装飾のオプションをつけるとこうなります。





同じシャーラーで、ボタンの部分がエボニーという黒い木になります。

これも良いですね。


シャーラーも高級ペグメーカーなので デザインも精度も良いですが、最高を求めるとやはりGOTOH です。

GOTOH 510シリーズは海外や日本の高級ルシアーギターのほとんどについています。

精度もデザインも世界レベルです。
あのスムーズさはすごいですよね。。



それでこのギターもGOTOH に変えました。









どうでしょうか??


これも良いデザインですね。性能は世界クラスです。


ちなみにフォルヒの本国のホームページを見ると最近は毎年1本ずつレアな材料を使ってリミテッドモデルを作っています。

昨年2015年の限定モデルはこれですが、、



ヘッドを良く見てみると、、





なんと!工場出荷時から シャーラーではなくゴトーがついています。


フォルヒもゴトーの良さは分かっているんでしょうね。。


フォルヒのペグがいつか 全部ゴトーにならないかな、、なんて思っていますが、多分チェコからシャーラーのあるドイツは近いですし、ゴトーよりコストがかなり押さえられるんだと思います。。


でも、ブリードラブみたいに、すべてのモデルにゴトーがついてるメーカもありますね。




シャーラーも悪くないですが、究極を求めるならゴトーを買ってつけるのもありですね。

特にオーダーした自分好みのギターはペグまでこだわりたいです。


さてG23 EGCT に話しを戻しましょう。





やはりすごいオーラです。木目の説得力がすごいですね。


でも このギターに装飾(デザイン)のオプションはついていません。

ペグだけ 個人的に変更しただけです。


材料が変わるだけでかなりオーラがでますね。。



ノーマルの23のカッタウェイのベースプライスが220000です。

これに、
 
E イングルマンスプルース +10000
G マダガスカルローズ  +90000です。


新品で30万強といったところです。

ゴトーのペグは安いところで、15000円くらいですね。




最近円安で 数年前より価格が上がってしまっていますが、それでも30万円台でこの材料を使えるのはやはりフォルヒです。


木材のグレードもすごいですよね。。



他のメーカなら、まだノーマルのシトカとインドローズがほとんどです。





トップのイングルマンはすごくいい音です。1万アップならこれは選択肢ですね。


柔らかめの材ですが、マダガスカルとの相性がとりわけいいように思います。


倍音がありながら、音圧もすごいですよ。。


ちなみに実際にはトップのイングルマンはもっと白いかんじです。


こちらの写真の方が実際の色合いに近いと思います。



かなり色白ですね。
白と茶色のコントラストが美しすぎますね。。



カッタウェイ部分もコントラストがやはりきれいです。




良いイングルマンスプルースは 絹のような横筋がはいります。






個人的にはこのEGCT は カスタムモデルでできるたくさんの組み合わせの中で、相当上位にはいります。

相性がとりわけ良いように思います。



この音を聞いて、フォルヒをオーダーした生徒さんもいますよ。


アディロンのパンチ力もすごいですが、繊細な音が好きな人にはたまらない音です。

楽器店の商品説明風に言うならまさに 「至高のヨーロピアンサウンド」ですね。


(よだんですが、フォルヒが「繊細な響き」、「ヨーロッパギターの落ち着いた響き」と形容される事があります。

じっさいに スタジオエムのカタログにも書いてあります。

勘違いされやすいのですが、これは「音量が控えめ」とか 「ならない」という意味ではありませんよ。


音色の表現でアメリカンギターのワイルド響きor泥臭い響きと対照的な表現ですね。

繊細な響きですが、しっかりとした音圧音量なんですね。


まあ 音に関しては 様々な表現がありますが、感覚的な部分が多くあるので実際に弾くのが一番です。)







さて次のギターに行きましょう。
これもEGCT 双璧をなす すごいギターです。



G23 AGCT です。




A アディロンダックスプルース
Gマダガスカルローズウッド です。


何度かこのサイトにも登場している 型番ですね。

これは2016年4月到着分のできたばかりのギターです。このブログにも時々登場する生徒のS君がオーダしたギターです。


トップを見てみましょう。





アディロンダックのワイルドな木目です。

先ほどのイングルマンと見た目の差は一目瞭然ですね。


アディロンは広い木目がでるのが特徴です。




これでも良い音がするんですね。

先ほどのイングルマンもきれいですが、これもワイルドで好きな木目です。



バックを見てみましょう。マダガスカルローズウッドです。






これも良い木目です!

先ほどのEGCT のマダガスカルは赤茶色でしたが、これはもっと濃い茶色ですね。



これも高級感があります。大人の高級感と言った感じでしょうか。



やはりマダガスカルは木目が多彩で 一本一本見てて飽きませんね。





さて、最近フォルヒは23シリーズで細かい装飾(デザイン)のオプションができるようになりました。

(その幾つかはこちらのページの後半で紹介しています。こちらをクリック



このギターは一つだけオプションがついています。

指板のインレイです。



指板に山の形をしたインレイがはいっています。「パラバヒル」というインレイです。

シンプルですが かっこいいですね。


このパラバヒルは最近始まったオプションなので、このインレイがはいったフォルヒはかーなりレアです。




近くで見るととてもきれいですよ。。



+1万のオプションですね。



アディロンマダガスカルは別のページでも詳しく書いていますが、アディロンのパンチ力とマダガスカルの低音の厚みでこれもすごい音です。。


戦前マーチンが使っていたアディロンとハカランダに一番近いと言われているマダガスカルの最強コンビですね。


まだ出来立てでもすごい音ですが、ここからさらに音が抜けて音量が増してくると思います。とくにフォルヒはできてから2〜3ヶ月で音量が明らかに増してきます。


23カッタウェイのベースプライスが220000です。

これに

アディロンが  +70000
マダガスカルが +90000
パラバヒルのインレイが +10000です。

40万クラスですね。。(追記 やはりマダガスカルは値上がりになり、現在ではプラス15万ですね。)


確かに高級ギターですが、アディロンマダガスカルのギターはコリングスやマーチン、テイラーなどでは優に100万は覚悟です。。


この品質で40万ならありですね。


もちろん、イングルマン特有の柔らかさにも大きな魅力がありますから、アディロンがすべての面で絶対的に上とは言えませんが、一度アディロンの魅力に気づくと抜け出せない魅力があるのも事実です。。


ぜひ一度試奏していただきたいモデルです。







さて次のモデルに行きましょう。
これも完成したばかりのギターです。


S25 LCCT  です。



L はアルパインスプルース
C はココボロです。

Sはフォルヒ最大サイズのスーパージャンボですね。

25シリーズなので細かいデザインもかなり豪華です。





トップのアルパインスプルースには ベアクロウがはいっています。





ベアクロウ(くまの爪痕)と呼ばれる、引っ搔き傷のような物がついているのが分かるでしょうか??


ベアクロウがついている木材は高級材として名高いですよね。

アルパインスプルースは色白で見た目はイングルマンに似ています。
音もイングルマンよりですが、もう少し固さがある木材です。


これは個人的な感想ですが、トップ材の柔らかさは 柔らかい順に

シダー → イングルマン → アルパイン → アディロン → シトカ

と言ったイメージです。

(アルパインとアディロンの間はかなりありますが、、)


イングルマンのほうがより倍音や残響感(リバーブ)が奇麗ですが、音の芯やキラキラ感はアルパインのほうがでる感じです。

イメージですが。。


サイドバックはココボロです。





これは!! これまたすごい木目ですね。。



マダガスカルも良い木目ですが、ココボロもワイルドな木目がでますね。

このギターは最高級ラインの25シリーズなので、より木のグレードが高いようですね。


この写真だと茶色っぽくみえますが、実際はもっと赤みががっています。

こちらのほうが実際の色合いに近いでしょうか?



かなり赤みがかっていますよね。






濃淡がとてもきれいです。カッタウェイ部分の木目もとてもかっこいいですね。

25シリーズのデザインと相まって手工ギターのオーラがさらにでますね。





この写真は スタジオエムの2階のステージの照明を当てて撮影した物です。

ステージ映えのするギターですね。


ステージ照明を当てた写真をもう少し見ていただきましょう。。






照明に当てると よりベアクロウが目立ちますね。





白と赤のコントラストがとても美しいです。

コアのバインディングがデザインを引き締めていますね。






25シリーズは最高級ラインです。


25のカッタウェイはベースプライスが310000です。

23のカッタウェイが220000なので、9万差ですね。
その分の装飾 & 材料もとりわけ厳選されているとの事です。


それに
アルパインが+30000
ココボロが +90000

で45万ほどでしょうか。


アルパインとココボロは社長の水野さんのお気に入りの組み合わせだそうです。

これもかなり相性が良いですね。

このギターはスタジオエムが店頭試奏用にオーダーしたギターですので、スタエムで試奏できますよ。

(ドルフィンギターズさんに入荷することになったようです)




Sボディーだとストロークや叩き系と相性が良いと思います。




このギターは動画でご覧いただきましょう。


生徒のSくんに押尾コータローを弾いてもらいました。

(できればイヤホンかヘッドホンでかなり大きめの音量で聞いてください)





最大級のサイズとあって すごい箱鳴りですね。





こういう奏法がメインの人にはお勧めです。サイズが大きくなっても値段は変わりませんしね。


でもギターに関しては必ずしも大は小を兼ねるというわけではなくて、スモールボディーの芯のある音圧の魅力もあります。

ジャンボギターは低音はでますが、どうしても高音(メロディー)が痩せてしまいます。

箱鳴りが強すぎて芯がぼやけるんですね。




低音がでるOMも魅力がありますよ。

以前のページでOM25 AGCT(アディロンマダガスカル)を動画付きで紹介していますのでよければご覧ください。(こちらをクリック






25シリーズのデザインも高級感がありますね。

一生ものの1本であれば25という選択肢もありです。25もそれなりにオーダがはいっているようです。


音だけにこだわる or  装飾を細かく自分好みにするなら 23シリーズで十分です。

25のほうが確かによりよい材料を使っていますが、最初の2本を見ていただいて分かるとおり、23でもグレードはすごいですよ。


シンプルな高級感を求めるなら、23シリーズがおすすめですね。

(追記 2017 11月)
 
(追記 2017 7月)
 
いつも、このページをご覧いただきありがとうございます。


たくさんのアコギ好きの方からご質問をいただいています。

とりわけフォルヒの詳しい仕様や、予算の中で自分のスタイルにあったモデルはどんなものか相談を受けることがよくあります。


スタジオの在庫の中から、状態の良い個体を選んでください みたいなのも意外に多いです。


そんな流れを経て、またスタジオMからの依頼も受け、私のこのページでも正式にフォルヒをご案内できることになりました。


(実際には購入したいモデルをご指定いただき、総代理店のスタジオMの在庫からわたしが選定いたします。もちろん写真などをお送りして選定していただくことも可能です



しかも、その時々によって違いますが、結構いろんな特典をつけれます。プレゼントや調整、あるいはここに書けないこともできるかもしれません。。


フォルヒのご購入や、オーダーのご相談はいつでも受け付けています。


どんな小さな悩みでも遠慮なくどうぞ。もちろん今まで通り購入に関係ない質問も遠慮なくいつでも送ってください。


ここには書けない情報やデータも実はかなりストックしております。。


(このブログではカスタムモデルのレポートや超高級モデルの詳細レポートもあります。よければ一覧からご覧ください)

実際にフォルヒのチェコ人の社長に聞いたことなど裏情報もたくさんありますので。。



取り扱いですが、具体的には総代理店で在庫している完成品のフォルヒは全てこの教室経由でも購入できます。


スタジオMでいつも全てのモデルをネットに出しているわけではないので、その時に在庫しているモデルをご案内できます。

また、オーダーも受け付けていますよ。




どちらもこの教室だけの特典がありますので、是非お気軽にお問い合わせくださいませ。ご質問、ご相談はこちらまで


ちなみに日本ではカタログに載っていませんが、23と25の間に24というシリーズもあります。







赤を基調としたデザインで、とても良いですね。

何本か店頭に入荷した事もあり、わたしも実際に試奏した事があります。


なかなかおしゃれなデザインですよね。


23と25より よりモダンなデザインでこれもありですね。

24は塗装がつや消しになります。


写真もつや消しなのが分かるでしょうか?


つや消しだと、質感と音が若干かわります。

塗装は音色に大きく影響します。23も24もどちらも良い音で どちらが上というわけでなく好みの世界ですが、個人的には艶ありの音のほうが好きですね。




24は 23より数万アップだったと思います。オーダで取り寄せ可能ですね。






ちなみにこの24の写真は フォルヒの英語圏ブランド 「ストーンブリッジ」のインスタグラムからの転用です。


ロゴが違うだけど フォルヒと全く同じです。

このインスタはレアなモデルやきれいな木材の写真がたくさんあります。


これは G25 LCCT (アルパイン ココボロ)です。

装飾からして 特注品のようですね。



これはココボロの木目、




これは24のバリトンギターですね。シダーとココボロです。やはり24はつや消しです。






フォルヒ好きの人にはたまらないインスタですね。

私の生徒さんのフォルヒユーザーの人にもお見せしましたが、みなさんかなり興奮されます。。

もう変態の域です、、   私もですが。


ちなみにですが、、

最近 私の生徒さんの間では、目隠しした状態で、サウンドホールからのにおいでギターを当てたりしています。


やはり変態ですが、たのしいですね。





変態話はさておき、このインスタは、オーダを考えている人で 実際にどんな感じになるのか見てみたい人にはお勧めです。良かったら見てみてくださいね。(こちら



オーダーモデルは基本特注なので 比較的店頭には並びませんが、スタジオエムでも数本マダガスカルの在庫がありますし、時々中古がはいったりもしています。


また、冒頭でも書いたとおり ショップオーダーで完成したギターが フォルヒの各地の代理店にも幾らか並んでいます。

特に 東京大阪のドルフィンギターズさん、東京のホーボーズさん、浜松のクエストミュージックさん などは 常時数本のカスタムモデルがあります。


ちなみにホーボーズさんの写真がこちら




かなりの本数です!

レアモデルと同時に レギュラーラインナップもあるので、弾き比べもできますね。




恵比寿のドルフィンの松下さん&照屋さん
クエストミュージックの山本さん
ホーボーズのわたなべさんは フォルヒの事大変お詳しいと思います。(みなさん 以前私もお世話になりました。)






お近くの方は ぜひ 試奏してみてくださいね。


(このページに対するご感想やアコースティックギターそのものやアコギ音楽等についてのご質問、ご相談等有れば こちらまで 

忙しいと返信に時間がかかってしまいますが、誠実なご質問にたいしては私に分かる範囲の事であれば喜んでお答えいたします。


また、愛知県尾張地域周辺の方で ギターレッスンにご興味が有る方のレッスンも随時受け付けております。

私個人のレッスンは こちらのページ

江南市のスタジオエムでのレッスンは  こちらのページ

をご参照ください。)


















2 件のコメント:

  1. 名古屋市在住の者です。
    近々フォルヒのギターを購入する手前、
    音の質や木材の 種類など、
    すごく勉強になりましたので コメントさせていただきます。 ありがとうございます!!

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    1. コメントありがとうございました!

      すこしでも、参考になりましてよかったです。

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