その後も何度かブリードラブのいろんなモデルを弾きましたが、、
やはりものすごくいい音です。。ブリードラブのどくどくの音色があるんですね。
分かりやすく音量がでます。低音の厚みは問答無用ですね。。
日本でも少しずつ 良さが認識されいるようです。
私のページの中でも ブリードラブの記事の閲覧数はかなり上位になっています。
注目度の表れでしょうか。
それに準じて値段も上がっていますね。。
フォルヒもそうですが、有名になるまではブランドを売り込む為に、最初は比較的値段を押さえます。
完全に定着して 需要が増えれば価格が上がってしまうのはある意味自然な事かもしれません。。(いくらか円安の影響もありますが)
そう考えると ブランドにこだわらず、ほんとうに良い音を見分けられれば、そのような駆け出しのすばらしいメーカーのギターを 比較的安いうちにかえますね。
いまはブリードラブもフォルヒも完全にブランド化しています。
さて 話しがそれましたが、以前の記事より もう少しランクの高いブリードラブを試す機会がありましたので ご紹介したいと思います。
3本ご紹介いたしますが、順に値段が高くなっていきますのでお楽しみに。。
1本目はこちらです。
Breedlove VOICE CONCERT (ボイスコンサート)です。
コンサートサイズ(C) です。指板のインレイもシンプルながら 高級感があります。
ヘッドはブリードラブのオリジナルデザインです。弦がなるだけまっすぐになるように設計されているのが特徴ですね。かっこいいです。
ブリッジは、、
一目でブリードラブと分かるこの形です。
生徒さんの中にはこれを「稲妻」と呼ぶ人もいますし「ひげ」という方もいます笑
僕はモダンで好きなデザインです。個性的なので好みがいくらかわかれるかもしれません。
2014年にブリードラブはラインナップを一新しましたが、下の写真のブリッジに注目していただけますか??
個性的なブリッジは好みが分かれやすいので 比較的低価格帯の多くのモデルで、、
こちらの写真のようないわゆる普通の形になりました。
でも 興味深い事に、、
これが マスタークラスのような最高級ラインになりますと、、
この ひげ型(稲妻形?)のブリッジが多くなります。
というのも、このひげ型は単にデザインとしてだけでなく、音響力学も考えて作られているものなのだそうです。
以前サウンドメッセで弾いた25周年モデル(120万)もこのブリッジでした。
↑やはりひげです。
手で隠れててみにくいですが、。
私もひげ型のほうがトップの振動が大きく音量がでるように思います。
ブリッジがトップに接する面積と 弦がサドルに当たる角度が関係していると思います。
一般の人に受け入れられやすい低価格帯のモデルには オーソドックスな形、
最大限に音を生かしたい 最高級モデルには この稲妻形 というわけですね。
いずれにしろ ブリードラブは ブリッジがすべて弦をブリッジピンではなくスルータイプでとめる形ですね。
トップに弦を通す穴をあけなくていいので、強度的にも音響的にも良くなると言うわけです。
さてここから このボイスコンサートの 木材に注目しましょう。
トップはかなりグレードの高いシトカスプルースです。
ブリードラブは木材のグレードもかなり良いですね。
サイドバックは、、
ブリードラブのお決まり! マートルウッドですね。 一本といえ同じ杢目が無いのが特徴です。
この個体もすばらしい杢目ですね。。
このマートルウッドですが、個人的にサイドバックではかなり好きな木材かもしれません。
もちろんいままでに ハカランダを筆頭に マダガスカル ホンジュラスローズ
そのたレアな木材もいろいろ弾いてきました。
それぞれに特有の音色があり とくにハカランダやマダガスカル系の独特の倍音に魅力があるのも事実です。
インドローズやマホガニーといった 定番材にも 定番になるだけあってそれぞれに魅力がありますよね。
オバンコールやウォルナット、メイプル、コア、ココボロなど 特有の音が出るすばらしい材もあります。。
ただこのマートルウッドの鳴りはほんとうに独特でいいんですね。。
多分レスポンスでは最高峰ではないかなと。。
倍音が少なめですが、芯が太く 低音も厚みがでます。
自分の右手のタッチにあっているのかも、。ストレス無く思い通りの音が出ます。
オールマイティーな材は無いので好みの世界ですが、これは良い材料です。。
ブリードラブが最初期から使っていますが、最近ではルシアーの中でも使う人が増えています。
杉田健司さんや横山さんもマートルウッドのギターを作っていました。
海外のルシアーでも時々見ますね。
さて、、
もう一度全体を見てみましょう。
かなり高級感がありますね。
このボイス自体は 現在は廃盤です。定価40万クラスでしたね。
現在新品では 市場に数本残っている程度でしょうか、。
ドルフィンに新品で2本でていますが、35万ほどのようです。
(http://www.dolphin-gt.co.jp/stock/6416eb/)
このブリードラブのコンサートサイズ マートルウッドはなかなかの良いギターかもしれません。
楽器店の説明では ”これ以上無い爽快感” ”分厚い低音はまさにアメリカンギター”
などと形容されています。
このレスポンスと音量、低音の厚み、相当高いギターを弾いてこられた方でも、わかりやすくいい音!ってなると思います。
ブリードラブでは この「コンサートサイズ」で「スプルース マートルウッド」 のオレゴンシリーズというのがあります。
前回のブリードラブpart1 の記事で紹介したギターです。
現在では オレゴンシリーズ C26 という型番でしょうか。
サイドバックがつや消しになります。
ボイスのほうが艶あり しかも 稲妻ブリッジで、個人的にはボイスの音のほうがより良いです。
でもオレゴンコンサートは低価格ギターのなかでは、敵無しというくらいすごい音が出ます。
実際 アメリカのギター業界関係者が選ぶベストアコースティックギターにも選ばれています。
冒頭のはなしに戻りますが、いい音が認知されれば 値段が上がるのは当然で、
オレゴンは以前は10万円台で買えていたのが、いまは20万越えになってしまいました。。
まあ それでも安く感じるくらい良い音ですが。
さらに 良い音を求めて 艶あり、しかもブリードラブオリジナルブリッジを求めると、どうでしょうか?
現行ラインナップでこのスペックがあるのは 最上級のマスタークラスだけです。
装飾や材のグレードはあがりますが、基本的な造りは全く同じとの事です。
値段は、、
85万。。 すごいですね。。
でもこの値段でも、成り立つくらいの良い音と言えるわけです。。
ボイスが廃番になったのは、このおとなら もっと高くても売れるという事なんでしょう。。
その下で同じ材料だと つや消しのオレゴンになります。
オレゴンの人気は根強いらしく、様々なカラーのオレゴンリミテッドも発売されていますね。
美しいギターですね。ステージ映えしそうです。
さて、同じコンサートタイプで全く別のギターも最近試しました。
LEGACY (レガシーシリーズ)CONCERT C42です。
こちらは現行ラインナップのモデルですね。
レガシーはマスタークラスより一つ下のラインで、特徴的な材を使っているのが売りのラインです。
写真を見てみましょう。
先ほど度サイズは同じコンサートです。
材が変わっていますね、。
トップの材はなんでしょうか??
シダーにも似ていますが、独特の赤みがでています。
これはレッドウッドという木です。
セコイアの一種ですね。セコイア杉とも言われますので シダーと同じ杉の仲間です。
セコイアは世界最大の木とも言われています。
巨木ですね、、。
人の大きさと比べるといかに大きな木か分かります。
実際に 現存するレッドウッドは恐竜時代のものと言われています。
世界最古の本 聖書にもセコイアがでてきますね。
というのも この大きさまで成長するのには、それくらいの年月がかかるというわけです。
いまから植えても成長するのは何万年後ですので、、。
レッドウッドは幾つかの有名メーカでも レアモデルという形でラインナップがあります。
たとえば ローデン、、
こちらは テイラーのカスタムオーダーモデル。。
そして フォルヒでもあるみたいです。
多分かなりレアなオーダーモデルですが、、。
シダーとは違う独特の赤みですね。
レッドウッドはマイクバラニックというルシアーさんのものでも使われていましたが、良い音でした。
ブリードラブにはなしを戻しましょう。
サイドバックは ノーマルのインドローズです。
これもグレードは高い良い杢目ですね。
新しいラインナップでは ヘッドのロゴが変わりました。
ブリッジも 稲妻ではなく オーソドックスなデザインです。
スルータイプなので トップに穴はあけなくてすみます。
レッドウッドの音ですが、杉系という事で シダーに似ていますが、シダーよりも更に柔らかい音です。
倍音が豊かで、その分芯がぼやける感じですね。
右手が肉弾きで こするようにバラードを弾くとかなり良い音がするでしょう。
ただ、大変残念な事にこの個体は 比較的近年製にも関わらず ネックが起きていました。
しかもそのネック起きを順反りと間違えて ロッドをまわしてしまっているようです。
コンディションの悪いマーチンに見られるS 字ネックですね。
ネックの状態を写真で撮るのがすごく難しいのですが、分かるでしょうか?
よく勘違いされやすいのですが、ロッドで調整できるのは 14フレットまでです。(12フレットジョイントなら12フレットまで)
14フレット以降のネックアングルはリセットするしかありません。
(ネックアイロンでうまくいくときもありますが、技術の高いリペアマンにリセットしてもらうのが一番です。)
1フレットから14フレットまでが逆反りになって山になっています。
ボディーにくっついている14フレット以降は おきかけています。
新岡さんも毎度のごとく力説されますが、とにかくギターのコンディションの第一歩はネックアングルです。
ロッド調整や サドルナット調整は ネックアングルが良くて初めて正しく調整できます。
ネックはやや順反りが理想とされています。
やや順反りでネックアングルがしっかりとしているギターが本来のギターのサウンドですね。
このギターも潜在能力は感じましたが、本来のブリードラブの音圧 低音の 半分もでていない感じでした。
ちゃんと調整して弾いてみたいギターでした。
ちゃんと調整されていたら、これくらいの音は出ているでしょう。
すごい音圧と余韻ですね。
多少 イコライジングされているかもしれませんが、本来のギターの音圧が十分伝わります。
残念ながら 大手楽器店では 綿密な温度や湿度管理ができない実情があります。
もちろんギターのコンディションに精通しておられるスタッフの方もおられますが、
バイトで雇われて 「ちょっとネックがうごいても ロッドに余裕があれば大丈夫」という考え方の人もいるかも。。
とくに アウトレット特価品とかは 注意が必要かもしれませんね。
最後のギターは、かなり高級機種です。
ブリードラブのエドガーハードモデルですね。
トップはアディロンダックスプルースです。
サイドバックは キルテッドサペリです。
本当にキルトのようですね。。
ヘッドもキルトの化粧板です。
全体的に赤で 韻を踏むデザインでした。
ドレッドの容積だと 更に更に低音が厚く 箱鳴りがすごいです。。
でも サイドバックのキルテッドサペリが そんなに重くない木なので、レスポンスよいですね。
トータルバランスですばらしいトーンでした。
音はこちらが参考になります。
ちなみに現在は廃番で中古のみですが、個人的には以前のエドガーハードモデルがブリードラブでは一番好きです。
このギターより6弦にインパクトのあるギターは未だかつてであった事がありません。
新品だとエドガーハードモデルではありませんが、同じサイズ同じ薄さで、オールマートルウッドのカスタムがドルフィンさんにありますね。
かっこいい。。
ブリードラブは東京だと ヤマハ銀座 ハートマンギターズ ドルフィンギターズ恵比寿が強いです。
ヤマハ銀座では、、
少し見にくいですが、1階のメイン入り口に ブリードラブを弾くエドガーハードの大きなポスターがあります。
ラインナップも充実です。
恵比寿のドルフィンのラインナップも良かったです。独自でオーダーしたレアモデルもありましたね。。
オオサカだと ドルフィンギター江坂 ヤマハ神戸 が常時ラインナップしていると思います。
紹介したモデル以外にも 良いものがたくさんありますよ。
どれも良い音ですが、マートルウッドは一度弾いてみていただきたいですね。。
(このページに対するご感想やアコースティックギターそのものやアコギ音楽等についてのご質問、ご相談等有れば こちらまで
忙しいと返信に時間がかかってしまいますが、誠実なご質問にたいしては私に分かる範囲の事であれば喜んでお答えいたします。
また、愛知県尾張地域周辺の方で ギターレッスンにご興味が有る方のレッスンも随時受け付けております。
私個人のレッスンは こちらのページ
江南市のスタジオエムでのレッスンは こちらのページ
をご参照ください。)
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