たくさんのモデルがありますが、やはり本物のビンテージ、そして新品だとそのビンテージの究極のコピー(オーセンティック)はやはり別格だと思います。。
(こちらの記事で詳しく解説しています)
やはり究極の設計を究極の材料で、そして最高の技術で作るというのが一つの理想形です。
でもそうなると、ビンテージにしても、オーセンティックにしても、、値段も究極になってしまいますね
実はマーチンにはもう一つ とても良いと思うものがあります。
それはカスタムです。
通常のライナップにはありませんが、レアな材料、特別な仕様で、数量限定でカスタムモデルが作られます。
もちろん値段が高いのもありますが、意外にお得なものも少なくないのです。
限定モデルや、世界中のディーラーのオーダーモデル、はたまたアーティストモデルなどが作られています。
私もマーチンのカスタムは出るたびにかなりのモデルを弾きました。
その中でもかなり良いと思っているモデルがあります。
それがこれです。

MARTIN OMC 18 LJ
ローレンスジューバーモデルです。
実は以前のブログの 東京楽器店訪問の記事や、先ほどのマーチン特集の記事にも登場していました。
ちなみにローレンスジューバーは昔から大好きなギタリストです。
学生の時聞いた NARADAレーベルから出ていたフィンガースタイルオムニバス版に一曲入っていました。
(NARADA からはドンロスや 押尾コータローもCDを出しましたね)

ローレンスジューバーはもともとスタジオミュージシャンで、あのポールマッカートニーのウィングスでギターを弾いていました。
世界クラスの超一流のスタジオミュージシャンですね。
そんな彼が、1990年代からフィンガースタイルのアルバムを継続的に出しています。
それが素晴らしいのですね。。
テクニックもさることながら、音楽的なセンスがめちゃめちゃかっこいいのです。
DADGADチューニングで、自由に弾きまくります。
山弦のお二人などもそうですが、トップスタジオミュージシャンの個人名義のアルバムなどは本当に素晴らしい出来ですよね。
さて、そんな彼が2002年ごろからずっと使っているのが、このマーチンのローレンスジューバーモデルです。

OM です。しかもフィンガーピッカーには嬉しいカッタウェイですね。マーチンでは珍しいです。
このモデルがなかなか評価が高いのです。
アーティストモデルでここまでたくさん売れたのはそうないと思います。
評価が高く、後ろの材料もマホガニー、インドローズ、ハカランダで作られ、
さらに何年かしてから、マダガスカルローズ、メイプル、数年前にはコアで作られました。
こんなに何年も愛されるシグネチャーモデルは珍しいですね。
私の予想では実際に売れた本数で行くとクラプトンモデル、ジョンメイヤーモデルの次くらいでは、、と思っています。
(ジョンレノンのモデルなどもありますが、実用性を考えるとそんなに売れてないと思います。)
今でもショップに並ぶと一週間も待たずにSOLD になってしまいます。ショップの近日入荷欄に載るとすぐに問い合わせが来て売れてしますこともあるますね。
あるショップでは、この仕様でショップオーダーもかけているようですね。
フィンガーピッカーに嬉しいのはカッタウェイですね。

1980年台後半に ショーンバーグ監修のもと 設計されたマーチンのOMカッタウェイです。
マーチンにとっても歴史的なデザインですね。
(確か設計はボジョアーだったでしょうか。。
この当時のショーンバーグのソロイスト(OM カッタウェイ) というモデルはマニアの中でかなり評価が高いですね。)
他にはない、美しい曲線です。
もっと曲線のR が強いカッタウェイもありますが、個人的にこのデザインがとても好きなのでした。
もちろんハイポジションも楽々弾けますね。



やはりフィンガーピッカーとなるとドレッドよりスモールボディーのほうがトータルバランスが良いと思います。
一瞬ドレッド箱なりは魅力的ですが、レスポンスと音の芯など、OMの素晴らしさがあります。
(ちなみにマーチンのOM のシグネチャーのフィンガーピッカーには
ジャックストッツェム

フィンガー界のレジェント ジョンレンボーンなどがいますね

どちらも素晴らしいギターリストです。)
スモールボディーで、音量と低音の厚みを出すには、やはりOMが一番最初に設計された時の材料を使う必要があると思います。
設計された時に、どの材料を使って設計されたかはとても重要なことだと思います。

そうです。アディロンダックスプルースです。
スプルースの王様と呼ばれたりしますね。
戦前のマーチンに使われていた材料です。
このパンチ力と音量はやはり魅力的です。シトカの良さもありますが、やはりマーチンの設計にはアディロンがいいですね。
シトカが霞むくらいです。
マーチンでも40番代のシトカだとかなりグレードの良い音がしますね。
(ちなみにラリビーの設計だと カナディアンシトカとインドローズがやはり良い気がします。あの設計をする時に使われていた材料です。
ラリビーにもごくたまにアディロンやハカランダのモデルもあります。
悪くはないのですが、マーチンほどの圧倒的な差は出ないと思います。
ラリビーさん自身、インドローズとハカランダの差は本当に少しだと言っていました。
あの設計だとそうなんだと思います)
そしてサイドバックは

マホガニーです。
初期のローレンスジュバーモデルはインドローズ ハカランダ、そしてマホガニーの3種類だったのですが、ジューバはよくこのマホを使っていました、
2005年前後のジューバーの録音はこのモデルの音ですね。

戦前マーチンは アディロンハカランダかアディロンマホガニーの 2トップで製作していました。
今でもマホガニーのギターは世界中のブランドにあり、特有の軽さと暖かさはマホガニーにしか出せません。
今でもマホガニーファンのギタリストは多いです。
しかも アディロンとの相性がすごくいいのです。
まさに足し算ではなく掛け算です。
何倍にもよくなります。
シトカマホガニーが物足りないと思われる方は、ぜひアディロンマホガニーのギターを弾いていただきたいです。。
音も深く、音圧もすごく、ローズにはない軽さとレスポンスがあります。
マーチンのアディロンマホガニーというと OM18GE があります。
GEの方がロングサドルですので、テンションが上がります。低音は太くなりますね。
LJの方はより倍音が豊かで甘いなりなイメージですね。
しかもカッタウェイあり。。
オーセンティックの18は確かに良いですが、値段もすごいですね。
OOOのアディロンマホのギターもあります。OOO18GEの線の太さは素晴らしいですね。
フィンガーピッキングでの応用性を考えるとOMの方が守備範囲が広いですね。ロングスケールで低音の厚みも違います。
他にも何枚か写真を見てみましょう。

2008年製のものですが、美しい状態ですね。
ビンテージとモダンが融合した美しいフォルムですね。。

すでに良い音がするオーラーがありますね。

美しいです。。

後付けでトーチスのピックガードがついています。
グレーベンが設計したもので グレーベンのOMにもついていますね。
この質感はとても良いのです。

先ほども音について少し触れましたが、このパンチと音の太さ 鳴りは気持ちよいですね。
OM なので、レスポンスもよく 軽いビブラートでも美し揺れます。
もちろんソロギターにも良いですが、弾き語りにもこのマホガニーの甘い和音はとても気持ちいでしょうね。
どこまで伝わるかわかりませんが、ジューバー本人が弾いているこんな動画がありました。
こちらはDADGAD でのソロギターでキャッチという曲です。
よければヘッドホンか良いスピーカーでかなり大きい音で聞いてみていただけるでしょうか。
メロディーがしっかり聞こえ、音の揺れ、和音の混ざりが美しいですね。
ゆったりとしたバラードでも美しいです。。
ラリビーなど分離の良いギターでバラードを弾くよさもありますが、やはりマーチンのハーモニーは美しいです。。
単音引きや、コードバッキングでも美しすぎます。
こちらはウッドベースとのブルースです。
まさにとろけるようなマーチンの音です。
ジューバーは爪を全く伸ばさず肉で弾くので、かなり甘い音色です。
少し爪を当てると、音の太い芯も出ますよ。
手放す人が少ないので、なかなか店頭に並ぶことのないギターですが、もし機会があればぜひ弾いてみていただきたいですね。
これは名器です。。
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