(以前の新岡さん宅訪問記はこちらをクリック)
まさに無数のギターを弾いて来られた方ですが、
今でもその中で手元に残しておられるギターが数本あります。
そのうちの一本をお借りしていますのでレポートしてみましょう。
それがこのギターです。

LARRIVEE(ラリヴィー)のL10のビンテージです。
シリアルナンバーからすると1979年ごろのモデルと思われます。
新岡さんの最新のアルバムでもメインギターとして使われています。
優秀録音にも輝いたアルバムです。
ちなみにラリビーについては以前に詳しくレポートしています。(こちらをクリック)
このブログの中でもラリビーの記事は常に閲覧数が高いのですね。
マーチンやテイラーなどアメリカンギターとは全く異なる設計ですが、素晴らしい音で根強いファンがいます。
以前の記事でも書いていますが、その中でも初期のラリビーの音は確かに別格と言える存在感があります。
サイズや設計は現在のモデルとほぼ同じです。

トップの板もだいぶ焼けています。
蛍光灯の光なども反射しません。塗装が染み込んでいますね。
ラリビーは多分初期からウレタンだと思いますが、ラッカーと違ってウレタンも年数が経つとしっかりとビンテージの音抜けが出てきます。

材料はいたって普通です。
トップはシトカスプルース

サイドバックはインディアンローズですね。

ただやはりラリビーは材料のグレードが素晴らしいです。
さすが木材卸をしているだけありますね。
とりわけ昔はもっといい材料が豊富にあったのでしょう。
ただ普通の材料ですが、もともとこの設計はシトカとインディアンで設計されています。
これはとても大切だと思います。
マーチンの設計はもともとアディロン ハカランダ もしくは アディロンマホガニーで作られたものがほとんどです。
それで同じ設計で シトカスプルースやインディアンローズにするといくらか説得力に欠けます。
設計と材料の組み合わせはとても大事だと思います。
以前、ラリビーさんはインドローズとハカランダの差は(親指と人差し指でほんの少しの隙間を作って)これくらいしかない。と言われたそうです。
確かにこのラリビーの設計だと、そこまでの差は出ないように思います。
このグレードのシトカとインディアンローズというのも大きいですね。
今でもラリビーの10クラスと9クラスは同じ設計、同じ材料ですが、値段が十万以上違います。
やはり音は違います。これは材料グレードの差がやはり大きいと思います。
マーチンでも28と45は材料が一緒でも音が違いますね。
(マーチンは作り分けと言っています)
ラリビーの10シリーズはヘッドにインレイが入ります。
ハンドメイドインレイなので、様々なデザインのものがあります。
これはシーホース(タツノオトシゴ)です。

インレイは好みが分かれますね。
まさにビンテージという感じに焼けています。
手元にあったエアーズのSJ07 と並べて写真を撮って見ました。

どちらもトップはシトカスプルーストップです。
ラリビーはだいぶ焼けていますね。

サウンドはやはり素晴らしいです。。
以前のラリビーの記事にも動画と共に解説していますが、このころのラリビーはリンダーマンザー、グリッドラスキン、サーゲデヤングが在籍していたころです。
今では全員100万越えのギターを作るるシアーですね。
1079年はちょうどラリビーというブランドができて10年後くらいですが、設計も完成され、材料も技術もかなりのレベルです。
パットメセニーはリンダマンザのギターに深いリバーブをかけてバラードを弾きます。
素晴らしい音の芯と硬質な高音がとても美しいのです。
このラリビーはビンテージの余韻やナチュラルリバーブも相まってそれに近い感じが楽しめます。
相当調整の難しいギターですが、この音は素晴らしいです。
(追伸
先日 中川イサトさんの一番弟子に当たる塩見元彦さんという方がスタジオに遊びにきてくださいました。
実はその塩見さんなんと日本に初めてラリビーを輸入された方なのです。
日本で最初に代理店をされていたようです。
1970年台後半のことではないかと思います。
塩見さんが輸入した初期のロットのうちの一本を中川イサトさんが使っておられたのです。
塩見さんにこのギターを弾いていただいたところ、「多分僕が検品したやつですよ。今まで弾いたラリビーの中で一番良い音かも」 といってくださいました。
実際にラリビーさんのお宅にホームステイされたお話も聞きてとても勉強になりました。)
新岡さんのアルグム2というアルバムでかなり良い録音でこのギターの音が聴けます。
是非聞いて見ていただきたいですね。
初めまして、宇治と申します。
返信削除最近こちらのブログを発見しまして、色々勉強させてもらっています。
フォルヒやエアーズなど、あまり聴いたことがない
ブランドを知ることができて楽しんでいます。
でも一番気に入ったのは「Larrivee OM-10 Flying Eagle」、
28先生がガラスの音とおっしゃったのも納得。
それにブリードラブも良い。
わたしは最近、マーチンギブソンの反抗期でして
他のブランドの記事というのは本当に助かりました。
やはりそれ以外のものを知った方が王道ブランドの良さも
改めて認識できるようです。
マーチンは歳を取ってから気に入るのを楽しみにしようかな。
あと、貼られているデモを色々聴きましたが、
演奏としては28先生ご自身のものが一番テンポ・音色への
アプローチが練られていて良かったです。
記事だけでなく演奏も素晴らしいですね。
良いギターを探すのは楽しくも悩ましいもので、
これからもなにかと参考にさせていただこうかと思います。
ではまた。
宇治様
削除ご丁寧なコメントありがとうございます!
記事と演奏、お褒めいただき嬉しいです。励みになります。
今後ともこのブログ共々よろしくおねがいいたします。
28先生
削除お世話様です、宇治です。
ついこないだコメントしたばかりですが
ちょっと疑問がありますので聞いていただけますか?
おかげさまでアコギの個性を楽しんでおります、
フォルヒ音源がほしくて使用者を探したところ
Alex Kabasserさんが見つかりました。
改めて、すごいギターですねぇ。
鈴鳴りはあるけどタイトで洗練された音、美しい。
これを、いつか貼られてた写真のお二人が作ってるんですね。
で、お聞きしたいのはここからです。
それでこの調子でエアーズの使用者を探したいのですが
これが中々探しづらく、エアーズに限らず
もしうまい探し方があれば是非おしえていただきたいのです。
(デモ動画ではなく音源を探す理由は商品レベルで
イコライズされたものをiPodで聴きたいからです。)
このブログのおかげで
ジューバーさんのマーチン
アルパタさんのソモジ
マクマナスさんのPRS
マクリーンさんのフランクリンギター
ウェイクさんのラリビー
などなど、アコギサウンドを楽しんでいます、
ギアから楽しむ音楽もいいものですね。
質問に関して、急ぎませんので心当たりのある範囲で
返信いただけると助かります。
では~。
>これを、いつか貼られてた写真のお二人が作ってるんですね。
削除あ、写真のうち一人はアレックスさんだから
制作者ではなかったですね。失礼。
宇治さん コメントありがとうございます!
削除いえいえお役に立てて私も一生懸命ブログを書いた甲斐があります笑
ご質問の件ですが、差し支えなければ、メールをいただければと思います〜
acousticschool28@yahoo.co.jp
空メールでも結構です!お手数かけてすみません