2018年4月21日土曜日

・「一生物のアコギ選びのはなし」その2 有名メーカー製のギターの魅力、、(MARTIN GIBSON TAYLOR etc...)

(記事とは関係ないですが春の機材大セール中です。詳しくはこちらから

究極のアコギを選ぶ その二ではメーカー製のギターについて少し書いてみたいと思います。


いきなりですが、、


メーカー製のギターか手工ギター

どちらが良いかというのはアコギの世界において本当に面白いテーマの一つのように思います。


一般的にメーカー製というと大量生産、ライン製造というイメージがあります。
そうなると職人が一本一本手作りでこだわった作った手工製ギターの方が圧倒的に良い気も致しますね。。

実は昔私もそうでして、特に若い頃はいろんな手工ギターを試していたのでした。工房に行ってオーダーしたこともあります。


しかし、、

最近になってやはりトップメーカーの作る本気のギターのすごさにとても惹かれるのです。


やはり積み重ねてきたノウハウが違うというか、、。


何年もかけて、何百、何千、何万本、ある場合何十万本以上作ってきたメーカーが、行き着いた設計、特にその中で最高峰として世に送り出すモデルなどはやはり隅に置けない魅力があるのです。







アコギは本当に面白い楽器で、他の弦楽器とは比べ物にならないくらい多様な設計や素材があります。

トップからサイドバックの素材は本当にたくさんあります。
ボディーサイズも色々ありますし、弦のスケールによっても音が大きく変わります。





それにネックの厚み、ボディー圧、ブレーシング、ヘッドやブリッジの形状、、諸々。

それらを組み合わせると本当に多種多様な設計があり、そこから多種多様な音が生み出されます。



トップメーカーは歴史の中で、その経験値が違いますよね。


一人の手工家が、製作できる本数は限られていますね。

一流メーカーがトライアンドエラーの中で高められてきた設計、ノウハウ、製作技術、単に設計図にない部分の工程などなどを積み重ねてきているわけですね。


このままいくと手工家のギターはダメだと思われそうですが、そんなことはありません。。素晴らしい製作家の方もおられますね。(また近いうちに手工ギターの記事は書きたいと思っています)



でも特に日本は、何が何でも手工がいいという強い考えの人が意外と多いので、ぜひメーカー製の本気のギターも弾いてみていただきたいのです。

というわけで、いくつかのメーカーのギターを少し取り上げてみましょう。


マーチンはいうまでもありませんね。

マーチンのオススメは以前に書いたこの記事   マーチンの特集記事はこちらから
そして前回のカスタムショップ    マーチンカスタムショップの記事はこちらから



からオススメのモデルなどをご覧いただけます。

鳴りを重視すぎる傾向の人にはマーチンは少しこもっているという方もいます。
マーチンはネックが起きやすいので、ネック起きしたギターだと特にそう思ってしまうかもしれません。

でもしっかり調整されたマーチンの上位モデルはやはり素晴らしいですね。。

マーチンと同じ形をしたマーチンコピーのギターはいっぱいありますが、やはり本家を超えるブランドは少数です。

(グレーベンさんやNGCギターのように手工家で本家よりもいい方向に少しアレンジしたすごいギターを作る方もいますね。

お二人とも有名なグルーンギター出身ですが、やはり本物を徹底研究した人の作るギターには魅力があります。ジュリアスボージャスのギターもいいですね。マーチンの設計に携わったという話も聞いたことがあります)


現在の製作本数でいうとトップブランドはテイラーになりますね。









もはやどこの楽器店に行っても置いてないことはないまさにトップブランドです。

テイラーのリミテッドモデルや900番代、PSシリーズなどはかなり高額です。

でもやはり素晴らしい音のバランス、ハーモニーがあります。






テイラーはまさに機械がギターを作るこれぞメーカー製ギターという感じです。

同じメーカー製と行っても、ほぼ手作りみたいな感じで、工程ごとに作り人が分けられていたり、モデルごとに役割分担されているみたいなメーカーが多いですね。

手工チームに近い感じのメーカーです。

一方テイラーほとんどが機械で作られます。テイラーは機械を手作りすると言われていますね。

工作制度として落ち度がない感じです。しっかりと設計して設計通り機会が作るという感じです。

日本の自動車メーカーに似た感じがいたします。


これは以前入ってきた最新の614ですが、本当に素晴らしい制度の楽器でした。

最近はデザインもウッディーでいいですね。




ただ、これは考え方ですが、テイラーもやはり完璧というわけではありません。

メンテナンスを優先するか音を優先するかというのもあるのですが、テイラーはワンピースネックではないですし、ボルトジョイントです。

やはり耳が肥えてくるとボルトの硬い金属音がきになる方はおられます。コリングスでさえ、高音に少し硬さがあるという耳のとても良い方もおられますね。。

究極のギターに何を求めるかですが、確かに10分でネックリセットができるテイラーのNTネックには魅力があります。





これは先ほどの614をネックリセットしてもらった時の写真ですが、10分で終わりました。しかも正規代理店を通った楽器なら無料なのです。



テイラー独自のアメリカンサウンドというものもありますね。私も好きです。


でもダブテイルワンピースネックのあの音が好きという方にはマーチンやギブソンに行くかもしれませんね。


テイラーでもう一つ判断材料になるのはES ピックアップです。




ネック脇につまみがありますね。


もちろん良いピックアップなのですが、よりリアルで輪郭のある、そしてアコギの箱なりも出したいフィンガーピッカーとなるとこのピックアップでは物足りない方もおられます。


そうなると、少し論点がそれますが、意外にテイラーの生アコに良いピックアップをつけるのはライブ用のギターとしてはかなり良いと思います。




これはテイラーのGS8にスカイソニックプロ1をつけたものです。

テイラーはパリッとした音で、ピックアップ乗りが抜群です。

深い低音と輪郭のある高音にバランスよくリバーブを足せばかなり使える音です。

フレットやネックの精度も良くて弾きやすく、ライブで弦を張りっぱなしでも簡単にリセットできるのです。

プロがライブでテイラーを使うというのはそこにあるのかもしれませんね。フィンガーピッカーなら後付けでピックアップをつければ完璧です。

動画を撮ってみました。(イヤホンか良いスピーカーで聞いて大きめの音量で聴いていただけると嬉しいです)







テイラーの音に軽くリバーブをかけるととても良いです。

(このライブ用セットはギター アンプ プリアンプ ピックアップ 込みで特価で出しています。春セールのページへどうぞ)



究極の生なりギターとなるとプロではなくて趣味で弾く人なら、ピックアップはつけたくないと思うかもしれませんので、テイラーにピックアップというのはとても良い選択肢です。

わたしもピックアップテスト用にこのギターを使用していました。




これまた余談で、究極のギターとは真逆のテーマになりますが、こういう一流ブランドの低価格隊のギターは見逃せません。

積み重ねたノウハウの一部が生かされているわけです。

これはテイラーの初心者用のギターアカデミシリーズのギターです。




私もテストしましたが、この価格でこんなギターを作られてしまうと、他のブランドは太刀打ちできない気もします。。




引いているのはナイロンですが、アコギも良かったです。


もちろんオール単板のフルスケールクラスと比べると別物ですが、初心者でも安心のギターですね。


他のトップブランドとして有名なのはギブソンですね。





写真右側のギターは60年代のJ50です。ちなみに左はローデンですね。

ギブソンはエレキギターでも有名ですが、アコギでも未だに圧倒的な人気を誇ります。

ラウンドショルダーと呼ばれるJ45 と J50 はマーチンのD28に並ぶアコギの代表機種ですね。まさに4番バッターです。


究極と言いつつ、、、ギブソンの作りはとても雑です。

トップの裏などを手で触るとザラザラですし、塗装もネックをつけてから吹きかけるので、ネックのジョイントのところに溜まりができます。各所の仕上がりも少し荒いですね。


でもやはりギブソンの音は素晴らしいのです。。



J45 サザンジャンボ、ハミングバード、J200それぞれに魅力があります。

スキャロップブレーシングからくるブーミーななりと箱なりはとてもいいのです。


これは今在庫しているレアカラー(ワインレッド)のj-45 です。60年代初期のコピーモデルですが、、










まさにギブソンのワイルドサウンドです。。何を弾いても気持ちいのです。ソロギターもいけますよ。

ギブソンはコンディションの良いものを探すのが大変ですが、これはバッチリです。

(欲しい方はメールくださいませ こちらから




ギターは素材か設計かという話があります。

料理と一緒で、素材レシピ(設計)にこだわるととても良いものが作れます。





素材の良さを引き立てるレシピというのは素晴らしいですね。例えばアディロンとハカランダのマーチンOMなどはまさに究極の素材を最高に料理した形です。


残念ながら素材は良いのに、レシピが悪いのでイマイチなブランドもあります。


高級肉で、、残念な料理を作ってしまうかのようです。。


名前は伏せますね。。。あくまで主観です。。でもスペックの割にイマイチと感じてしまったギターがみなさんおありだと思います。




ギブソンはそれで例えるとB級グルメという感じです。


手間はかかってないし、素材もそんなに高いものではないのですが、、抜群のレシピ(設計)がありとても美味しいのです。



まさにギブソンにしか出せない音があります。

ソロギターとなるとL-00は素晴らしい高音です。

素材と設計にこだわったL-00を新岡さんが作られました。

Lー00TYPE B というギターです。


設計には手は加えず、ギブソンを完全コピーしたギターです。

そして素材はアディロンとマダガスカルです。





この高音弦の太さ コーラス感は素晴らしかったです。

ごくたまに中古で出るようですね。


ギブソンは今 経営難らしいのですが、ブランドが消えることはないでしょう。どこかに吸収されるのか買収されるのかわかりませんが、ギブソンのアコギはいいですね。

弾き語りには J か ハミングバード、カントリーはジャンボ ソロギターにはLサイズがいいと思います。あまりにも当たり前の解説しかできなくてすみません。。



究極となると、コンディションの良いビンテージかレッドスプルーストップのものはやはりパンチがあり音に粘りがあって良いですね。

ルシアーズチョイスというマーチンでいうカスタムショップクラスのものも存在しています。





さて


ここまではアメリカンギターでしたが、少し別系統のメーカーを行ってみましょう。

テイラーやマーチンよりは小規模で、手工家から成長して行ったメーカーですが、個性的で良いギターを作るメーカーです。


最初はラリビーです。




カナディアンギターの代表格で、左右対称のノンスキャロップブレーシングのギターです。写真は90年代のL10 ですね。



ラリビーの10クラスやカスタムは素晴らしい作りですね。





マダガスカルのラリビーも良かったです。







分離の良いバランスのとれたなりです。少しテンションはきつめですね。


変則チューニングを多用する人、特にテンションが入ったような曲では合うと思います。
以外にタッピング系も合いますね。


究極となるとビンテージラリビーはいいですね。







ロッドが入っていないダブテイルのギターです。

音抜けがあり、現在の新品のモデルと比べても別格です。

70年台後半のものですが、この時期のラリビーにはグリッドラスキン、リンダマンザー、サーゲデヤングなど、今では手工かとして100万越えのギターを作る人たちが在籍していた、凄い時代です。

状態の良いものは少ないかもしれませんが、試してみる価値はあるかもしれません。

ネックは太いです。





ヨーロッパ製ではローデンもいいですね。


シンプルなスプルースローズのF32 C です。

ニュートラルでなんでも使えるいいギターでした。

これまたローデンの音という、独自の音がありますが、やはりハーモニーが音楽的です。








5ピースネックですね。ダブテイルジョントです。


素材と設計のとれたローデンしか作れない音です。






ローデンはお茶の水のギタープラネットさんが取り扱っています。

かなり多種多様なモデルがあります。究極となると35シリーズがいいですね。

材料は相当良いですので、もしかしたら自分にとってぴったりの一本が見つかるかもしれませんね。








他にも高級メーカーはたくさんありますね。コリングス、サンタクルーズ、ギルドとうとう。。

各社の音色がありますので、見た目や素材が同じに見えても実際に弾いてみるとこんなに違いがあるのかってくらい個性があると思います。そこから自分好みを選ぶのも良いです。

やはり完璧なギターというのはないので、究極といてもやはり好みがありますね。



そうすると


メーカー製の究極で行ったら、オーダーというの悪くないですね。

自分好みの究極を作るというわけです。



マーチンやテイラー、ラリビーやローデンでも代理店を通せばオーダーはできなくありませんが、超高額になりますね。


それだったら既にカスタムで出来上がった完成品を選ぶのはいいですね。








マーチンならカスタムショップ、テイラーのリミテッドやカスタム品、(BTOというのは無くなったようです)、ラリビーもカスタム品が何本か市場にあります。ローデンなら35シリーズですね。








もっと自分好みにしっかりオーダーするなら中価格帯でオーダーを受け付けているブランドもいいですね。

フォルヒやエアーズなどは中価格帯の庶民向けメーカーですが、各社の音というのがあります。

自分好みのサイズや素材を組み合わせて、デザインも自分好みにすることで、それを自分の究極の一本にするというのも悪くないですね。


もちろん設計やデザインはある程度の経験が入りますね。それでショップの方に聞いたり、詳しい方の意見は参考になりますね。


私の教室経由でも何本か相談していただいて作ったギターかここのところたくさんできてきました。

これは近々詳細レポート予定のフォルヒの OM35 ER です。
国内初入荷のレア中のレアですね。ビンテージシリーズの最高峰です。











見た目もさることながら、この音もとても良いのです。

フォルヒはやはりOMですね。

オーダーした方からメールをいただきました。

丹羽さん

いやあほんとうに気に入りました。
まずは見た目のよさ。
細部までキレイに仕上げられていて、木工品としてとても美しいですね。
はじめに持っていたOM23CRのインドローズに比べてとても木目が細かいですよね。
おそらくこれがグレードのよいということなのでしょう。トップのインゲルマンにはフレイムも入っていてとてもキレイです。

そしてなによりこの音です。
なんとも余韻の長いリバーブ感。
きちんと調整されているからなんでしょうねネックからも伝わってくる低音はほんとうにすごいですね。
ボディ全体がなっているという感じでとても気持ちいいです。
輪郭のはっきりした芯のあるフィンガーでの音はさることながら特に驚いたのはストロークサウンドです。
オーバー気味に弾いても暴れずまとまりが出てコントロールしやすいのには驚きました。

待ちわびた時間に十分応えてくれるギターで大満足です。とてもうれしいです。

なにより丹羽さんが豊かな経験を元にいろいろアドバイスくださったのはほんとうにありがたかったです。
おかげさまで最適のモデルにたどり着けたと思います。
なんとも贅沢なことでした。
どうもありがとうございました。

いい道具を持つのはほんとうにいいですね。
道具に見合うような腕にならなければとモチベーションが上がります。

また質問させていただくことがあるかと思います。
その時はなにとぞよろしくお願いいたします。





エアーズのオーダーも何本かいただいています。


今でも最初に私がデザインしたSJ08は人気があります。この音を聞いてベトナムローズでオーダー中の方が2名おられます。




新岡さんのオーダーしたD08もいい音です。




メーカー製の本気のギターはとても良いですね。

一流メーカーのオーダーもいいと思います。マーチンのカスタムショップ製とか。

庶民はなかなか究極のギターといってもそこまで出せないのが現実ですね。

その場合中規模メーカーで練りに練ったオーダーギターというのもいい選択肢の一つになるかもしれません。

オーダーギターの参考になる記事も素材が溜まっているのでまたアップいたします。


また究極のギター選びとしてルシアーものの豪華絢爛な記事も書く予定です。









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