2021年5月10日月曜日

・更新終了「良いギター音楽の話」その6〜ソロギター大推薦アルバム まずはこれを聞いてください。 ”ギターフィンガースタイル ナラダコレクション”

 さて、今回は久しぶりの「良いギター音楽のはなし」です。

今まで一つの記事でたくさんのアルバムや楽譜を紹介してきました。

今回は一枚のアルバムだけにスポットを当ててみましょう。


少しマニアックですが、大推薦盤です!


それがこちら

「ギターフィンガースタイル ナラダコレクション」(1996)です。



このアルバムが理屈抜きに本当に素晴らしいソロギターアルバムなのです。。



いわゆるオムニバスアルバムです。Various Artists ですね!


11人のギタリストによる16曲が収録されています。




ちなみにNARADA というのはレーベルの名前です。

ドンロスや押尾コータローさんもNARADAからアルバムを出していましたね


すでに録音されてから25年経っていますが、色あせない名盤です。

発売された当時はFM局などでも比較的かかっていたそうです。

私の元生徒さんで、FM局出身の方がおられましたが、このアルバムはお勧めする前に知っておられました。


ジャンルも演奏も多彩で、本当に魅力的な曲の数々です。

ギターもいろんなギターが使われていて、音色を楽しめます。


特にソロギターレッスンを始めたばかりの方にはよくお勧めします。


楽曲が多彩なので、どんな系統のソロギターがお好きかを見極めるのにもとても良いと思います!






もちろん音楽は、出会う順番や好みによって同じアルバムでも感動が異なりますね。


私は小5の時(1999年)にたまたまこのアルバムを聴いて、虜になりました。

今でも時折無性に聴きたくなるアルバムです。


そこから20年以上たった今ではソロギターの奏法も発展しました。

テクニカルな奏法を得意とするギタリストもたくさんおられますね。


YouTube時代になって、ソロギターの世界でも音楽が”聴くもの”から、”見るもの”になってきているように思います。


より派手な奏法が好まれる時代になっているのかもしれません。

そんな影響からか、、技術はすごくても、音楽的に素晴らしいものかどうかというのかいくらかなおざりになっているような気もいたします。。

(もちろんテクニカルながら、音楽的に素晴らしい演奏をするギタリストもいますね。日本では西村ケントくんはその点で群を抜いているように感じます。)


このアルバム本当にギターの音色が美しく、何度聞いても飽きない魅力的な楽曲が詰まっているように思います。

今では新品は入手困難なようですが、オークションサイトなどで時々見ます。

是非入手して聴いてみてください!



そして特にギターを弾かれる方は、このアルバムを聴くと「どうしても弾いてみたい!」と思う曲に出会うと思います。


もちろん私もそうでした。

でもアルバム自体が輸入盤で、対応した楽譜集はありません。。。


それで、、なんとか一曲ずつでも楽譜がないか、、何年もかけて楽譜がないか探しに探したのでした。

(YouTubeのない時代は、楽譜がない曲は耳コピするしかありませんでした。。)


そんな涙ぐましい努力の甲斐もありまして、全曲ではありませんが、かなりの数を揃えました!


ではそんな楽譜の情報とともに、収録曲を簡単に取り上げてみましょう!

もし良ければCDを入手していただいて、アルバムを聴きながら読んでいただけたら嬉しいです。


1 Little Martha    /   Tim Farrell          オープンD チューニング


オールマンブラザーズの曲が元になっているソロギターアレンジです。

オープンDチューニングでのシンプルなコード進行ですが、アレンジが美しく躍動的です。


アメリカンなソロギターですね。ギターもサンタクルーズが使われています。


完全対応の楽譜はありませんが、かなり近いアレンジの楽譜が最近のアコースティックギターブック45に掲載されました。




参考にできると思います。






2 Crow / Ed Gerhard            EADGAE 


日本でも絶大な人気を誇るエドガーハードですね!


一転してモダンな雰囲気を持つ叙情的な早い曲ですが、とてもかっこいいです。

レギュラーチューニングから2弦だけ下げます。この曲はファーストアルバムにも収録されています。ソモジの初期のドレッドを使っていて、ギターの音も素晴らしいです。

こちらの楽譜集に掲載されています。web 上で1曲のみの販売もしているようです。












3 South by Winterwest  /  Billy McLaughlin  DADEBA

ビリーマクラフリンです!

このブログの昔からの読者の方ならご存知かもしれません。
初期の記事で特集いたしました。




タッピング系ですが、とにかくメロディーが素晴らしく音楽的です。なんと1弦が2弦より低いチューニングですね。


(マイケルヘッジスのWOMAN OF THE WORLD という曲でも使われています。


押尾コータローさんもビリーマクラフリン奏法から影響を受けて「オーロラ」という曲を作曲されています。)

こちらは一曲単位で公式の楽譜が販売されています。

STROPES という海外では有名なソロギター楽譜を販売している会社です。

マイケルヘッジスの公式の楽譜を出版していることでとても有名ですね。

一曲単位の曲もたくさんあります。私はプー横丁さんで購入しました。







タッピング曲ですが、とにかくメロディーが美しく叙情的なのです。

4 Pat Kirtley   /   Daisy Gose A Dancing               DADEAD

パットカートリーはテイラーのギターリストとして、何度か来日したこともあるそうです。

カントリーやケルティックを得意とするギタリストですが、センスあるアレンジや楽曲で日本でも人気が高いように思います。




この曲はカントリー調ですが、コードやメロディーは実に現代的で私も大好きです。

パットカートリーのファーストアルバム「ケンタッキーギター」に収録されています。


このアルバムはカントリー調ながら、やはり日本人好みの美しいコードのアレンジが多く、私も大好きです。

楽譜があるのですが、、今は少し高いようです。。他のサイトならもっと安いかもしれません。。











5 DON ROSS / That'll Be The Phone          CGDGBD (おそらく)


出ました!ドンロスです。

日本でもかなり人気の高いギタリストですね。

ドンロスについては以前のブログで詳細レポートしています。



これは初期の名曲で、押尾コータローさんとも近いニュアンスがあります。

この頃のローデンの録音もとても良いのですね。。


残念ながら、この曲はいまだに楽譜を見つけていませんが、チューニングは恐らくCGDGBD で間違いないと思います。

オープンGチューニングに近いので、コピーはしやすいかもしれません。

6  Benjamin Woodman / Soul Discovery         DGDGBD (オープンG)

知る人ぞ知るソロギタリスト ベンジャミンウールマンです。

最近ではベン ウールマン という名前で活動されています。


この曲はスローで音数も少ないバラードですが、素晴らしい構成です。
マーチンでの録音ですが、奥行きもあって綺麗ですね。

楽譜は公式はないのですが、ネット上にはフリーのタブ譜サイトでかなり正確なものがあります。


7 Laurence Juber/  Lunar Eclipse  レギュラーチューニング

ローレンスジューバです!日本でもご存知の方も多いかもしれません。

元々ポールマッカトニーのWINGS のギタリストでしたが、今はソロギタリストとして活動されています。とにかくLJ はギターがうまいですね。。

センスに溢れた曲です。

レギュラーチューニングでマイナーキーです。タイトルは「月食」の意味ですね。
物悲しくでもグルービーな曲です。

こちらは楽譜があります。









ちなみにかなり似たような表紙のボリューム2という楽譜もあるので、注意してくださいませ

8 Muriel Anderson / To B or Not To B     レギュラーチューニング


このアルバム唯一の女性ギタリストです。ムリエルアンダーソンはアコースティックギターマガジンでも連載をもっていた、日本でもかなり知られていると思います。

日本の曲のアレンジも多いことで有名ですね。クラシックギターも弾かれますが、元々はチェットアトキンスの門下生のですので、カントリーもお得意です。

この曲も元々はチェットの曲のようで、トミーエマニュエルなどもカバーしています。
カントリー調ですが、美しいコードワークとメロディーでこれも素晴らしい曲ですね。

ネット上でタブ譜も購入できます。

アレンジはかなり近いので、参考にできるかもしれません。

9 Stephen Bennett/ Perestroika   ハープギター ドロップD


スティーブンベネットも時々日本のアコギ雑誌に登場される方です。

フィンガーピッキングデイにも来日されたことがありますね。

レギュラーチューニング中心で、シンプルなコードワークですがとにかくセンスが溢れるメロディーラインやアイディアで、私も大好きです。

この曲はハープギターを使用している暗めでグルーブの聞いた曲です。

以前のアコギブック15に普通のギターでも弾けるタブ譜が掲載されました。







ちなみにこのアコギブック15はCD付きで海外の一流ソロギタリストのタブ譜が掲載されています。2000年ごろの発売だったと思います。

トミーエマニュエルや先ほどでたパットカートリー、ムリエルアンダーソンも収録されています。

実は私がトミーエマニュエルを初めて知ったのはこの本だったのでした。



10 D.R.Auten / If I Only Had Wings  DADGAD


このアルバムで特にお勧めなのがこのD.R.Auten です。

2曲収録されていますが、どちらも素晴らしく私も心を掴まれました。.


相当なソロギターマニアの方でもご存知ないかもしれません。。

でもなんとアコギブック19に日本語のインタビューとこの曲のタブ譜が掲載されています。





アコギブックのマニアックさはとても良いですね!

ちなみにこのアコギブック19では、DADGADチューニング特集でやはりローレンスジューバーやパットカートリーなどのタブ譜もCDとともに収録されています。






11 DON ROSS / THE FIRST RIDE   FACDCE 

2曲目のドンロスです。

ドンロスを代表する名曲ですね!

真骨頂とも言える変則チューニングでのアップテンポ、ハーモニックスが特にきれいです。

19歳の時の作曲と言われています。1983年の曲です。

1983年ですと、まだマイケルヘッジスも「エアリアルバンダリーズ」を発表する前です。


ソロギターの初期にすでにこんな曲が誕生していたんですね。


この曲をマイケルヘッジスが聞いて「モンスターチューン」といったことはよく知られています。

海外の公式サイトからダウンロード購入もできます。

私は本人監修の「ドンロス」アンサーブック という楽譜を購入いたしました。

タブ譜は手書きです。




私も含めて、楽譜はデータより紙が良いという方も少なくないと思います。

プー横丁さんに入荷することがあるかもしれません。



12 Muriel Anderson / It Never Gose Easier   DADGBE


ムリエルアンダーソン2曲目です。

先ほどのカントリーとはうって変わってナイロン弦でのスローバラードです。

素晴らしいバラードですね。シンプルな進行なのに、かけそうで書けないメロディーです。

この曲はかつて発売されたムリエルアンダーソンの国内版の楽譜に収録されています。

有名なホームタウンライブですね。





このアルバムの楽譜は海外版もあります。


中古のみですが、気長に探してみてくださいませ〜。


13 Helms Place   /  Billy McLaughlin    DADEBA

ビリーマクラフリン2曲目です。
ビリーを代表する名曲で、緊張感のあるイントロから見事に展開していきます。

私は曲半ばのスローになる部分が大好きです。。

こちらも先ほどと同じくストロープスという会社が楽譜を出しています。


印刷版は少ないようですが、プー横丁さんにあるかもしれません。

ダウンロード販売もしています。



14 Only My Heart / Tommy Jones       レギュラー

トミージョーンズは、、私もほとんど知りませんでした。
今でも情報は限られております。。

この曲はレギュラーチューニングでのバラードですが、フワフワした癒しのメロディーと半音で下がる美しいコードワークなど一回聞いただけで虜になりました。これは相当弾きたくなる名曲です。

この曲の楽譜も奇跡的に発見いたしました。

メルベイ 社のフィンガースタイル 曲集です。
トミージョーンズの名前ではなく、ビルピバーンという名前になっています。

このかたは教則系のギタリストのようです。おそらく作曲者がトミージョンズなのでしょう。。

いずれにしろかなり正確な楽譜です。









私が購入したのは古いバージョンですが、新装版の楽譜もアマゾンで見つけました。






15 Angela /D.R.Auten    レギュラー(一音下げ)

D.R オウトェン の2曲目なのですが、、この曲が私はとにかく好きで好きで、、
このアルバムの中で一番好きな曲でした。。

なんと表現したら良いのか、暗い曲なのですがとにかくクルーでたまらなかったのです。。

この曲の楽譜が探すのに一番苦労いたしました。。

本当にたまたま見つけたのです。

アメリカにフィンガースタイルギターという雑誌があります。プー横丁さん

これのかなり古い号に「D.R.Auten 」のインタビューが載っているとの情報がありました。








楽譜の掲載などの情報は全くなかったのですが、購入してみたところビンゴでした。。

これを見つけたときは、飛び上がるくらい嬉しかったです。。







楽譜を購入するまで、レギュラーチューニングとは想像できませんでした。。

16 Pat Kirtley / Grandpa's Lullaby

最後を締めるにふさわしい、優しいバラードです。おじいさんの子守唄 のタイトル通りの優しく切ないメロディーです。

パットカートリーの曲は本当にメロディーが美しいですね。。

この曲は公式の楽譜はありませんが、ネットには比較的正確な楽譜もアップされています。

私は長い時間かけて耳コピいたしました。





さて、長文大変お疲れ様でした!

いろんな音楽がありますので、お勧めを一枚!というのは難しいのです。
でも迷った時にはこのアルバムをお勧めいたします。







YouTube上にはそれぞれの曲の音源もかなりあるようですが、今回古き良き時代に戻ってよければアルバムで一曲ずつ聴いていただきたい という思いのもとリンクは貼り付けませんでした。

新品では入手困難なアルバムになっていますが、中古はフリマサイトなどでもよく出品されているようです。チェックしてみてくださいね。





紹介した曲はレッスンでも対応可能です。生徒の皆さんは遠慮なくお申し出くださいね(得意な曲と苦手な曲がありますが、、)

ちなみにナラダレーベルは他にも似たようなオムニバス版があります。

このフィンガースタイル の2 や マスターアコースティックギター などなど私も一通り揃えました。他のアルバムもお勧めです!








ちなみに最近は私も妻も西村ケントくんにハマっています。

もうすぐ楽譜も発売されますね!!




ずっとずっと欲しかったので嬉しかったです。(おそらく私は日本で一番早く予約したと思います。)

他の曲もいつか発売された良いですね。でも待っていられないのでお気に入りの曲は自分で採譜したりしています。(あくまで自分個人用です)


近くケントくんのことに関しても本人の了解が得られたら、ブログに少し書いてみたいなと思っております。



ギターネタも溜まっているのですが、、引き続き更新が遅くてすみません!
やはり月に一回を目標に課して頑張ります!




ご注意!!

最近ですが、あるブログ読者の方から私のブログサイトを開いたところ下記のような警告が出たとのことでした。一部のブラウザから開くと起きるようです。



対策を検討中です。

もちろんサイト内で個人情報を入力したりすることはありませんので安心してくださいね。


このブログは今後もの残す予定ですが、このブログも6年目に入り記事の数もだいぶ多くなってきました。

それでギター教室のサイトと統合して、新たなアコギ情報サイトを作ろうかと検討中です。
累計の読者がもうすぐ100万人を超えそうですので、、そこまではと思っていましたが。。悩み中です。

でも統一したサイトの方がわかりやすくなるかなと思います。

(今年中くらいの大きな目標ですが、、)

またそうなりましたらアナウンスさせていただきますね!

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。




教室ホームページ:
https://sites.google.com/site/nacosticguitarschool/

教室ブログ(ギター、機材レポート):http://acouguist.blogspot.com

キューズランドミュージックスクール講師ページ:
http://www.qsland.jp/school/guitar/index.html#private_agfinger








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