前回より始まった、このブログでの新シリーズ「ギターの選び方の話」の第二弾です。
今回の特集は「サイドバック材」です!
前回もお伝えいたしましたが、この「ギターの選び方の話」では素材 設計 各種メーカーの特色などを順番に取り上げていきたいと思っております。
アコースティックギターは多種多様な選択肢があるからこそ、ギター選びがとても「楽しい」のですが、反面自分にぴったりのギターを探し当てるのが「難しい」時もあります。。
メールでいただくご質問のほとんどが、
「自分に合ったギターを選びたいのですが、、この素材はどうでしょうか?」
「このブランドのこの機種はどう思われますか」
と言ったものです。
一度に全てのギターを試奏はできませんので、なかなか難しいですよね。お気持ちがよくわかります。
今回のシリーズは、そんな皆様のお役に立てればと思い少しずつですが続けていきたいと思います。
そして最後には今現在、私が究極と感じる素晴らしいギターたちの共通点についても書いてみたいと思います。
もちろんギターを始めたばかりの方や、最初に比較的低価格で良いギターを買いたいというかにも参考になれば幸いです。
あくまで私の個人的な感想ですし、私もまだまだですが、少しでも皆さんのギター選びのサポートができればと思っております。
では今回の本題「サイドバック材」について取り上げてみましょう!
<初めに>
写真は、この記事取り上げる予定のサイドバック材の一部です。
キルテッドメイプル
などなど、サイドバック材は見た目や色合いも多種多様です。
「音」だけでなく「見た目」も楽しめます。木材というのは本当に素晴らしいですね。
皆さんのお持ちのギターのサイドバック材はなんでしょうか??
サイドバック材は昔からある有名なものから、最近になって使用されるようになった新素材なども無数にあります。
前回も少し書きましたが、ギターのトップ、つまり表の板はサウンドを作る上で特に重要だと言われています。
(ギター製作家界の巨匠 ジョングレーベンさんは「トップがサウンドの99%を決める」とさえ言っておられました。
もちろん少し誇張も入っていると思います。でもそれくらい重要!ということは間違いないように思います。)
ではサイドバックが重要ではないかというともちろんそうではありません。。
サイドバックはトップに伝わった振動を色付けするまさに「音色」を大きく左右するように思います。
それでより自分の好みに合ったサウンドの材を選びたいものです。
(※ちなみに少しだけ重要な余談、、ですが、
もしサイドバックが大きく違う良いギターを持っていても、音色の違いが全く感じない場合、右手の弾き方が少しよくないのかもしれません。。
トップの振動をしっかりとサイドバックに伝えるには、”弦の振動幅”を意識したピッキングが必要だと感じています。
演奏レベルに関わらず、ちょっとコツで誰でも良い音が鳴らせます。
もしトップ単板とオール単板の違いをあまり感じられないなら、ぜひこの点を学びに単発レッスンにお越しください笑
同じ理由でマーチンの28と45の違いも、この弾き方ですぐに音の違いがわかるようになりますね。
そのような弾き方ができるようになると、最初から自分にぴったりのギター選びができるかもしれませんね!無駄な買い替えが少なくて済むかもしれません。)
今回は比較的今では「定番」とされている有名材のいくつかについて、あらためて簡単に振り返ってみましょう!前回同様、それぞれの材料でおすすめのモデルなども紹介したいと思います。
<マホガニー系>
言わずと知れたアコースティックギターの大定番の材料です。
どこのブランドにも必ずあると言って良いくらいですね。ギター用の材料としては比較的安価なイメージがありますが、高級家具や木工品にも使用される良材です。
歴史は古く、現代ギターの基礎と言われる19世紀の「トーレス」の製作したギターにもマホガニーがあるようです。
マーチン社でも古くから「18シリーズ」マホガニーが使われています。
こちらの写真の右側は以前試奏させていただいた、本物のD18です。
少しピンボケ気味で申し訳ありません。。
現在ではどちらも大変稀少で、一部のプレミアムギターにのみ使用されています。
一般的なギターに使われているマホガニーは、アフリカンマホガニーや、サペリマホガニーなどがあります。(厳密にはサペリはマホガニー属ではないのですが、音色の系統がかなり似ていることから同系統として扱われていることが多いようです。マーチンやテイラーでも採用されていますね)
マホガニーは「癒し系の甘いサウンド」と言われます。
高音域のレンジが狭いので、プレーン弦などのギラツキが少なく、結果的に甘いサウンドが出ますね。
<弾き語り系や伴奏に合うマホガニー>
弾き語りなどをされる方にはやはり大定番機種はD-18 やJ45 J50になるかもしれません。
ハーモニーがとにかく美しいギターたちです。。状態の良い物は少ないですが、あたり個体でバッチリ調整されたものはとても良いですね。
D18系で私が好きなのはD-18GE です。少しみにくいですが、、写真左のギターです。
超人気モデルですね。。もしこの系統がお好きでしたら、NASHVILL GUITAR COMPANY のD-18 がこの系統では私は最高峰と感じました。素材もホンジュラスマホガニーだったと思います。もちろんブルーグラスにも最高ですね。
J45 やJ50もやはり良いですよね。
1960年代の中で数本グッとくるあたり個体を弾いたことがあります。
こちらは1965年製だったと記憶しています。マーチンとギブソンは通販はリスキーですので、ぜひ店頭で試奏されることをお勧めいたします。
<ソロギターにお勧めのマホガニー>
ソロギターですともう少しバランスが良く、また線が太いギターが欲しくなるかもしれません。
(マーチンやギブソンは設計からくる音色の甘さがありますので、マホガニーだとより甘く感じるかもしれません。)
私がソロギターを始めた1990年代後半にはフィンガーピッカーで、「テイラー 514」を使っている方がとても多かったと記憶しています。
日本では打田十紀夫さんが使用されていました。
また押尾コータローさんは初期のライブで、同系列のサペリの314をライブで使用されていましたね。
少しマニアックですが、こちらは1995年の全米フィンガーピッキングチャンピオン
パットカートリーさんの演奏です。
私も大好きなギタリストです。ギターはテイラー514です。
テイラーはトロピカルマホガニーと呼ばれたりしますね。
癒し系の良いサウンドですね。
テイラーのパリッとした設計と、マホガニーの相性がとても良かったのだと思います。
同系統ですと、エアーズのSJ04 もお勧めです。私も大好きなサウンドです。
エアーズは「アフリカンマホガニー」です。
さらっと肩の力を抜いてもいい音が出るんですね。
テイラーと系統が似ています。さらにOTSで倍音が入っていますと、高音も綺麗ですので、ソロギターに使いやすいですね。
少し大きめの音量で聞いてみていただけるでしょうか??
暖かみのある癒しのサウンドですが、低音もしっかり太くて良いですね。
(最近もマホガニーの12フレットのオーダーのご依頼をいただきました。
ここ最近いただいたオーダーの中でも特に完成が楽しみなギターの一つです。
今は少し納期が伸びているようですので、レポートはかなり先になると思いますが、またこのブログでもご紹介したいと思います。)
ちなみにオーダーですと、エアーズでは「アンコールワットマホガニー」という現地産のマホガニーも選択できます。「KANZO」という名前で知られていたりします。
こちらは私の耳ではアフリカンよりワイドレンジでさらに倍音の効果を強く感じます。
すでに、ローズ系の良いギター、重量系のギターをお持ちの方には手軽に楽しめるマホガニーがおすすめです。手を伸ばしやすい金額も魅力の一つですね!
もし究極のマホガニーをとのことでしたら、キューバンマホガニーやホンジュラスマホガニーのギターがおすすめです。
40年代の状態の良い000−18や00−18などもとても良いと思います。
<ローズウッド系>
・インディアンローズウッド
こちらもマホガニー同様の、超定番の材料です。写真のような綺麗な濃淡のある木目が特徴的です。
単に「ローズウッド」と呼ばれるものは、ほとんどの場合この「インディアンローズウッド」を指します。
まずは ”ローズウッド単板” が、最初の一歩のように思います。
多くのブランド主力機種に採用されています。
マーチンでは28〜45までのレギュラーラインに使用されていますね。
こちらはMARTIN のHD-28Vというモデルです。
世界で一番有名なアコギの一つ、D-28の戦前仕様のモデルです。
サイドバックはインディアンローズウッドです。
木目も写真のようにほとんどが柾目(縦のラインの木目 木目対して直角な面)や追柾目です。
インディアンローズはマホガニーより重厚ですが、重すぎず、レンジが広いのでどんな音楽にも合います。
インディアンローズウッドはあまりにありふれているので、近年では他の材料より劣ってみられがちですが、やはりローズウッドの音は魅力的です。
ブラジリアンの代替材としていろいろな材料がありますが、その中でもインディアンローズは比重が少し軽めです。
(余談ですが、
軽い=明るい
ともよく表現されます。
逆に
重い=暗い
ともいえます。 )
インディアンローズウッドでも最高峰のものですと、本当に感動的です。
ソモジの1980年代のローズのギターを弾かせていただいたことがありますが、、素晴らしかったです。先ほど少し触れたNASHVILL GUITAR COMPANY のローズのOMギターも素晴らしかったです。
ただそのレベルですとローズでも何十万〜百万を超えるものもあります。
ローズは他の代替材に比べると比較的安価ですので、もう少しお手頃が良いかもしれません。
各種メーカーにローズ系があります。
よりハーモニーのしっかりしたメーカー製のものがおすすめです。
簡単にいうと「太い音」が出るギターではなく「深い音」が出るギターですね。。
弾いた後1秒後にフワッと音が深くなるかどうかで見分けられます。
ローズウッドのレンジの広さを十分に活かせると思います。
ソロギターでしたら2000年前後の OM-28V のコンディションの良いものもおすすめです。基準となるギターという感じです。私もかなり昔に一本持っていました。
28系だと基音が強いですので、しっとりしたソロギターを弾きたい方には少し物足らないかもしれません。
そうなるとさらに上方向の倍音が出るギターが気持ちが良いですね。
マーチンのOOO-42 やOM-42 などを試奏してみられると良いかもしれません。
こちらはOM42です。演奏はイタリアのギタリスト、フランコモローネですね。
この曲はときどきレッスンでもしております。
左がOOO-42 右がOM-42ですね。
完全に指ひきならOOOの方が弦振動が多く、音色が多彩です。
ストロークなど叩き系も視野に入れますと、OMのハリのあるトーンがいいと思います。
ローズ単板でコスパ重視でしたら、エアーズの25周年モデルもおすすめです。
最近は入荷後、すぐに在庫がなくなる状態が続いているようです。
まず最初の一本はローズウッドのギターでしたらこのモデルはおすすめです。
私も扱っています。
でもローズウッド系で最高峰はやはりこの材料です。。
・ブラジリアンローズウッド
写真は以前に持っておりました、グレーベンのOOOです。
ブラジリアンローズウッドは別名 = ハカランダでとも呼ばれていますね。
前述のインディアンローズウッドが代替材として使用されるまで、ローズウッドといえばこの材料でした。
戦前〜1969年ごろのマーチンの21〜45までに使用されていました。
以前にとある方にご招待いただき、戦前のマーチンを弾き比べさせていただいたことがあります。
左がら000-45 000-42 OM-28 どれも本物ですが、やはり圧巻だったのだがサイドバックのハカランダです。
現在ではほぼこのような柾目のローズウッドはごく一部のプレミアムギターのみです。。
もうみているだけで良い音ですね。
ブラジリアンローズウッドは少しずつ枯渇し、ついにレギュラーモデルでは使用されなくなりました。
(余談ですが、D-35はブラジリアンが枯渇したため、より材料を取りやすい3ピースでの製作が始まりでした)
私もブラジリアンのギターをかなり弾いてきましたが、、やはりブレード高いブラジリアンは一つの理想として、本当に素晴らしい音がします。
レンジが広く、強い入力にもつぶれず、遠達性に優れています。
インドローズよりは少し重い印象ですが、重厚感と軽さのバランスがベストで、まさにギター製作のためにある材料と思います。
もちろんブラジリアンだったら、問答無用で必ず最高!というわけではありません。しっかりとした設計のギターであることは最低条件ですね。ギター自体の設計が固かったり、ボイシングがされていないと本来の力は出ないように思います。
ちょうど最高級の食材も、熟練のシェフが調理をして初めて最高の料理になるのと同じですね。
近年製のブラジリアンですともうマーチンでは新品でも600万クラスでしょうか。。
最近では、雑誌の取材で弾かせていただいた塩崎さんのブラジリアンのギターが素晴らしかったです。
ブラジリアンですとルシアーものなどがほとんどですので、、100万を超えることがほとんどです。。また良材もかなり減っていますね。。
それで、「ニューハカランダ」と呼ばれる各種材料がここ10年ほど特にソロギター界では注目されています。
ハカランダまでは手が出ないものの、せっかくなら特徴的で自分に合ったサウンドを手に入れたいという方にはとても良い選択肢ですね。
私が受けているオーダーでもほとんどはこのニューハカランダ系の材料が多いです。
これまでのブログの記事でも、かなり多様な材料のギターたちを特集していますので、また過去の記事も見てみてくださいね!
改めていくつかのおすすめの材とサウンドをチェックしてみましょう。
改めていくつかのおすすめの材とサウンドをチェックしてみましょう。
・マダガスカルローズウッド
マダガスカルローズウッドは
ブラジリアンの代用材としてサウンド的にも、見た目的にも最も近いと言われています。
マーチン社でも戦前の完全コピーモデルのオーセンティック(=本物)シリーズに採用されています。
こちらは000-42 1939 オーセンティックです。
先ほどの写真出てきた000-42 のコピーモデルです。見た目も製法もそっくりに作られていますが、ブラジリアンローズウッドは超高額なので使用できません。。
それで使われているのは
マダガスカルローズウッドです。ちなみにマーチン社では、マダガスカルとブラジリアンの見た目があまり似ているため、できるだけ離して保管しているそうです。
マダガスカルは個人的にはとても素晴らしい材料だと思います。
オーダーで予算は関係なく、選択できる一番良いと思うものを、、という時にはマダガスカルをお勧めすることが多いです。
レンジが広く、低音があつく、明らかにサウンドに奥行き(深みが出るイメージです)
サウンド的には確かにブラジリアンと似ていますが、私にはマダガスカルの方が少し重さを感じます。中低音に独特の厚みを感じるのです。
いずれにしてもバランスの良いフルレンジな音です。
(ちなみにブラジリアンの比重が0.85ほどですが、マダガスカルの中には0.9を超えるものもあります。一方でブラジリアンより軽いものもあります。
どんな素材も個体差で比重にはばらつきがありますが、一般的には軽い順に、
「インディアン」 「ブラジリアン」 「マダガスカル」 「ホンジュラス」 「ココボロ」
と言われています。
やはり軽いと明るい音 重いと暗い音になりがちです。
好みが分かれますね。
重さと軽さを兼ね備えた、ちょうど中間あたりのブラジリアンやマダガスカルあたりがトータルとして高次元でバランスの良いギターになるのは間違いないように思います。)
マダガスカルお勧めです。
フォルヒのマダガスカルはやはり良いですね
フォルヒは単純に素材だけの違いですので、よりマダガスカル自体の素材の力を感じます。
今ももちろんオーダーを受け付けています。
こちらのブログで、フォルヒのオーダーシリーズ(レインボー)の弾き比べをしております。
フォルヒの場合は個人的にはインゲルマンとマダガスカルローズウッドを組み合わせるのが個人的にはとてもお勧めです。
フォルヒはヨーロッパ系の硬質ななり方ですので、トップをインゲルマンにして、少し硬さをとって、その分マダガスカルで、低音を補うという考え方です。
このようにコントラストもとても綺麗ですね〜。
私も自分用に持っていました。ちなみにこのモデルは以前ですとG23-EGCT でした。
現在ですと G-EG cut になるかと思います。
エアーズでもオーダーでマダガスカルローズを選択できます。
エアーズの場合は、ハーモニーがより深いので、トップは固い材料にするのもお勧めです。
アディロンとマダガスカルはやはり一つの間違いのない組み合わせですね。。
こちらはアディロンとマダガスカルのSJのオーダー品でしたが、今まで弾いたエアーズの中でも圧巻の深みでした。。
是非イヤホンなどでお聴きください。。
やはりただの好みの差というよりは、、ランクの差を感じさせるサウンドですね。。
フォルヒもエアーズもマーチンやテイラーなどに比べるとマダガスカルのアップチャージはまだ良心的なアップチャージで選択可能です。
迷った時にはマダガスカルローズがお勧めです。
ちなみにもう少し暗くてもずっしりと重いサウンドがいいという場合には、
ホンジュラスローズウッド
や
ココボロがお勧めです。
ホンジュラスローズウッドはグレーベンさんがよく多用されていますね!
こちらはグレーベンの押尾コータローさんモデルです。
実物はさらに深みがあって美しいです。
(この押尾コータローモデルのグレーベンは現在販売中です。
日本製ではなく、ご本人が製作されたものです。
次回の臨時の記事でアップ予定ですが、ご興味ある方はご連絡くださいませ〜
もちろん同じ種類の木材でも比重に個体差はありますが、ホンジュラスローズはやはり少し重めです。
つい先日、体験レッスンに来てくださった方が、ハカランダの同じモデルをお持ちでしたが、やはりハカランダの方がかなり軽いです。
より重厚系、軽く弾けるようななり方よりは、どっしりと音が残るようなサウンドがお好きな方にはおすすめできます。変速チューニングでのバラードなどを弾いたら最高だと思います。
重厚系ではココボロも人気ですね!
こちらはエアーズのOM09です。
こちらは少し前の記事に登場しました
Furch Rainbow Gc-EC Bevel Duo
です。
ココボロはかなり重いですので、あまりに大きなサイズで作成すると、ギター自体がかなり重くなります。(単純に素材自体の比重プラス、ココボロでギターを作る便宜上どうしても重くなる理由があるのです。。)
それで、OMや大きくてもA や G (オーディトリアム、テイラーですと14サイズに当たる)
くらいのサイズに合わせるのがとても良いと思います。
スモールサイズでも重厚な音色を楽しめます。レンジも広いですね。
ポストハカランダであまり一般的ではないのですが、もう一つのおすすめがあります。
ベトナムローズウッドです。
カンボジアンローズウッドは以前にマーチンやウォーターロードのカスタムギターでも見かけたことがあります。
狭い地域にしかない、特有の材料ですが、レンジが広く、重厚です。私の印象では、マダガスカルとホンジュラスの間くらいの重さです。
エアーズでは、現地調達ができるので積極的に採用されています。
地元産の木材なので、素材の割にはアップチャージもリーズナブルです。
見た目もかなり多彩です。
サップ入りが人気ですね〜。
サウンドはレンジが広く厚みが出るのですが、重すぎる感じもありません。
個人的にはベトナムローズウッドを使ったOMのサウンドバランスがとても好きです。
ベトナムローズウッドはエアーズ以外ではなかなかオーダーできませんので、良い選択肢になると思います。私のお勧めはOMです。
木目を選んでオーダーするのもとても楽しいですね〜。
さてローズウッド系が長くなりましたが、最後にあと2つ取り上げてみましょう!
メイプルとコアです。
メイプルとコアです。
・メイプル
サイドバックはジャーマニーメイプルですね。
古くからバイオリンなどに使われている、楽器用の材料
としては有名な木材です。
としては有名な木材です。
レスポンスがよく、弾けるような感触のサウンドです。
ミッドが出るのが特徴です。
高音は少し弱いでしょうか。
メイプルのアコギではギブソンのJ200 や ハミングバードが有名でしょうか。
メイプルは特徴的な音色の反面、、少しさっぱりして深みがないと感じる方もおられるかもしれません。
ギター自体のボイシングギターにはこの傾向が強いと思います。
ギブソンはハーモニーが素晴らしいですね。
ソロギター向けですとやはりメイプルですごいと思うのはグレーベンです。
J と呼ばれるサイズのメイプルはとても有名ですね。
以前ブルージさんで弾かせていただいた、GREVEN J maple です。
近年製で以前よりも少しサイズが小さくなっているようです。
グレーベンさんといえばマーチン系統の作風で有名ですが、最近このJはギブソンのコピーということを知りました。
基音以外の深いハーモニーが出るギターでは、メイプルでも甘くて深い低音が出ますね。。
ソロギターでいつまでも弾いていたいと思う素晴らしいサウンドでした。
グレーベンさんの中ではメイプルのギターは少しお手頃かもしれません。
またキルテッドと呼ばれるさらに希少価値の高いモデルもあります。
こちらはブログ読者の方がオーダーされた、Furch Gc-EQ というモデルです。
E = インゲルマンスプルース
Q = キルテッドの頭文字ですね。
このキルテッドメイプルは私が過去に見た木目の中でもとりわけ感動的な木目でした。
スマホ録音ですが、動画も撮影いたしました。
オーダーのみの受付ですが、お勧めです。
すでにローズウッド系やマホガニーをお持ちの方にはメイプルをお勧めします。
とにかく音が軽く前へ前へ出てくるイメージです。
ハーモニーがしっかりとしたメーカーがお勧めです。トップは硬い材料ではなく、インゲルマンなど柔らかい素材と合わせるのが良いと思います。
メイプルのスッキリとした高音を、より艶っぽく綺麗な高音にできると思います。
エアーズの定番モデルの中で、とりわけ人気が高いのがSJ06 cat です。通称猫ギターですね。
・コア
こちらはマーチンのOOカスタム ハワイアンコアです。
コアはもともとハワイの固有種で、現地では神聖な木とされています。
現在ではギター用の材料として使えるほどの大きな木はほとんどなく、希少価値が高くなっています。
マーチンではハカランダに次ぐ高級材としても知られています。
コアはウクレレでよく使用されますが、ギターでも歴史が古く1910年ごろよりマーチンではコアを使ったギターが製作されていたようです。
コアは何よりも、その見た目の美しさが魅力の材ですね。。
サウンドは本当に独特で、コアだけにしかないサウンドがあります。
素材自体は軽いのですが、硬さがあり、レスポンスも速いです。
素朴ですが、メイプルのようなカラッとした鳴りでもなく。。
私の語彙では形容が難しいです。。
こちらもスマホ撮影ですが、動画があります。
このギターは一点物のカスタムですが、OMC44-LJ というモデルのOOバージョンです。
42と同じ倍音が入っていました。
今までたくさんのギターを弾いてきましたが、このギターは手元に置いておきたかったなと思う一本ですね。。
このモデルのマダガスカルやブラジリアンのサイドバックのギターがあれば、個人的には最高です。。
やはりこのクラスの最高グレードのコアは各メーカー最高級の位置付けですね。
ラリビーのコアもすごかったです。
すごい木目ですね。。
コアですが、、どちらかというとやはりマーチンのようにハーモニーのしっかりした深い音が出る楽器に使用するのが良いと思います。
作りが硬いギターに使ってしまうと、音がかなり硬くなるかもしれませんね。
エアーズのオールコアもOTSで硬さが取れていました。
深みのある音色ですね!
終わりに
大変長い記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回少しバタバタしておりまして、更新が遅くなりましたことをお詫びいたします。
本来ブログは細かく少しずつ書く物だと思うのですが、どうしてもしっかり書こうと思うと内容が長くなってしまうのです(^_^;)
アコースティックギター選びは選択肢が多彩な反面、迷う物ですが、今回のシリーズが少しでお役に立てれば幸いです。
あっという間に今年も終わろうとしています。
今年もたくさんご覧いただきありがとうございました。
次回予告ですが、ギターの選び方の話 その3 でギターの設計の話を書いてみたいと思います。
ギターは素材が設計かというのは永遠の課題のように思います。
設計でギターを選ぶのも面白いかもしれませんね!
メールでの質問もお待たせしている方申し訳ありません。。
必ず返信いたしますので、お待ちいただければ幸いです。
引き続きどうぞなんでも遠慮なくご質問くださいね!
引き続きレッスンや、ギター選びもご予定が合えば受け付けております。
徒歩圏内の浜名湖の景色や温泉にもぜひお越しくださいね!
(舘山寺サンビーチの夕焼けです)
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